- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 保険 >
- 保険会社経営 >
- 米国の持株相互会社
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■目次
1.はじめに
2.生保の経営危機と自己資本の充実
3.持株相互会社とは?
4. 持株相互会社の功罪
5. 持株相互会社をめぐる最近の動向
6. おわりに
■introduction
日本版ビッグバン(金融大改革)に向けた動きがはじまった。97年5月の外国為替管理法の改正を皮切りに、97年6月には、戦後一貫して禁止されてきた持株会社の解禁などを内容とする独占禁止法の一部改正が行われた。これにより、企業は純粋持株会社を設立し、その傘下に関係会社群を配置、統括するという組織形態を選択できることになった。純粋持株会社とは事業経営の全てを子会社に委ね、自らは事業を行わずに、グループ全体の経営に専念するものである。持株会社は傘下に子会社群を並列に配置でき、M&Aを通じた事業再編もやりやすくなるなどのメリットがあると言われている。そして、金融分野においてもいわゆる金融持株会社の傘下に銀行、証券、保険を保有することが認められる見通しとなった。ところが、保険会社に特有の相互会社の場合には、株主は存在せず、保険契約者が株主に相当する社員になるという組織構成をとっているため、相互会社の川上には持株会社を設立することはできないとされる。相互会社が持株会社を利用するには、川下に持株会社を作るか、あるいは自らを株式会社に組織変更してその川上に持株会社を設立するしかない。しかも、川下に置かれた持株会社では事業展開に限界があり、また株式会社化もその実施は容易なことではない。つまり相互会社は、その組織形態ゆえに株式会社のような経営上の選択肢が持てないということになる。他方、米国に目を転じてみると、最近、持株相互会社という相互会社の特色を活かした持株会社の設立が認められるようになった。持株相互会社設立の動きも活発化しており、これからの生保事業を考える際のキーワードのひとつとなりつつある。そこで持株相互会社とはどういうものなのか、なぜそうした新しい会社形態が必要となったのか、などについて米国の最新事情を紹介したい。
(1997年11月25日「基礎研マンスリー」)
村上 博信
村上 博信のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2000/04/25 | 世界の保険会社の収入保険料 | 村上 博信 | 基礎研マンスリー |
1999/08/25 | 株式会社化の波及効果 | 村上 博信 | 基礎研マンスリー |
1998/12/25 | 金融サービス業界の再編と生保相互会社の株式会社化 | 村上 博信 | 基礎研マンスリー |
1997/11/25 | 米国の持株相互会社 | 村上 博信 | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年07月11日
トランプ関税の日本経済への波及経路-実質GDPよりも実質GDIの悪化に注意 -
2025年07月10日
企業物価指数2025年6月~ガソリン補助金の影響などで、国内企業物価は前年比3%を割り込む~ -
2025年07月10日
ドイツの生命保険監督を巡る動向(2)-BaFinの2024年Annual ReportやGDVの公表資料からの抜粋報告(生命保険会社等の監督及び業績等の状況)- -
2025年07月09日
バランスシート調整の日中比較(後編)-不良債権処理で後手に回った日本と先手を打ってきた中国 -
2025年07月09日
貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【米国の持株相互会社】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米国の持株相互会社のレポート Topへ