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■見出し
1.はじめに
2.なぜいま、貯蓄問題か?
3.消費・貯蓄行動:サーベイ
4.今後の貯蓄行動:展望とインプリケーション
■はじめに
「湾岸戦争」という一つの異常事態の終結を受けて、'90年代の日本の経済運営、さらには世界経済への展望といった、中長期的な視点にたった経済論議が活発化している。こうしたなかで、日本の消費・貯蓄行動(および投資行動)に対する関心が高まりをみせている。その現由の第一は、湾岸戦争によるアメリカの志気高揚と対日批判激化のなかで、日本の経常収支黒字(これは貯蓄・投資バランスによって決定される)が今後どのように推移するか、内外の注目を集めていることである。第二に、その一方で、東欧経済改革に基づく投資需要増や湾岸復興需要の発生などにより、貯蓄ソースとしての日本への期待が、世界的なレベルで高まりを見せている。またその他に、通貨切上げと国内賃金上昇によって成長率鈍化を余儀なくされつつあるアジアNIES等の立場からも、日本の貯蓄・投資バランス変化を通して日本のアブソーバー(需要吸収者)機能がいかに拡大して行くか、大きな関心がよせられている。
しかしながら、日本の貯蓄行動については、それがマク口経済分析の中心的課題であるにもかかわらず、包括的な議論や分析は必ずしも充分になされてこなかった。とりわけ、人口高齢化、土地価格高騰等々、貯蓄決定に関係する諸要因がダイナミックな変化をみせているなかで、今後の動向を展望するのは困難な作業となっている。
そこで本稿では、これまで行なわれてきた日本の貯蓄行動に関する実証経済分析を可能な限り巾広くサーベイし、それらに基づき'90年代前半の貯蓄動向の展望を試みることにする。
以下では、まず最初に、日本の貯蓄問題の今日的意識を論議し、次にその決定メカニズムおよび変動メカニズムに焦点をあてたサーベイを試みる。最後に、そこから導かれる'90年代前半の貯蓄動向を展望し、その政策的インプリケーションを議論する。
(1991年05月01日「調査月報」)
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竹中 平蔵
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