- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 今こそ芸術文化のインフラストラクチャー構築を
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
1.芸術文化の時代に向けて
2.日本における芸術文化の現状:「ハコ型・消費型・兼業型」
3.わが国における文化政策、芸術擁護の現状:「保護型・ハコ型・宣伝型」
4.芸術文化のインフラストラクチャー構築をめざして
■21世紀は芸術復興の時代:人口停滞期と芸術創造
産業や経済の急速な発展を経て、21世紀の日本社会にはどのような時代が訪れるのだろう。
こうしたことを占う指針として、わが国の人口推移をみると、現在は人口の増加期から停滞期に移行する大きな転換点にあることがわかる。厚生省人口問題研究所の予測によれば、1830年以降増加し続けたわが国の人口は、2010年頃に1億3,600万人に達した後、停滞または減少過程に入り、2085年頃には1億2,400万人程度で静止状態になると予測されている。
わが国の人口推移にはこれまで、およそ4つの大きな波があったと推定されている。それぞれの人口増加期には新しい文明が誕生し、日本の人口容量を増加させてきた。そして、それぞれの波が停滞期に差し掛かかる頃、時の権力や経済と結びつきながら、日本を代表する文化や芸術が誕生している。第1波は縄文文化の爛熟期、第2波はかな文学や能・狂言などの平安・室町文化、そして第3波は歌舞伎、浮世絵などに代表される江戸元禄・化政文化などである。
人口の推移と文化の関係をみる限り、第4の人口停滞期にあたる21世紀には、新しい日本文化や芸術が誕生すると考えても不思議ではない。現在の日本経済の繁栄は、平安の貴族社会、鎌倉・室町の武家社会、そして江戸の町人社会と同じように、21世紀の芸術文化を支える基盤として機能するとも考えられる。
(1990年04月01日「調査月報」)
このレポートの関連カテゴリ
吉本 光宏 (よしもと みつひろ)
吉本 光宏のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2023/07/11 | 個人寄付から社会を変える-新型コロナの経験を活かすために | 吉本 光宏 | ニッセイ基礎研所報 |
2023/06/07 | Achieving world peace through art and culture: A declaration at the Busan International Cultural Forum | 吉本 光宏 | 研究員の眼 |
2023/05/25 | 文化から平和を考える-釜山国際文化フォーラムに出席して | 吉本 光宏 | 研究員の眼 |
2022/11/22 | DON’T FOLLOW THE WIND-未だ終わらぬ東日本大震災と福島第一原発事故 | 吉本 光宏 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く -
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【今こそ芸術文化のインフラストラクチャー構築を】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
今こそ芸術文化のインフラストラクチャー構築をのレポート Topへ