- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 米国産業の国際競争力回復について
■見出し
1.米国産業の競争力の動向について
2.米国産業と業種別輸出入動向
3.終わりに
■米国産業の競争力の動向について
【競争力に関する研究】
この数年、米国産業の競争力強化を検討する組織が種々誕生した。
'86年12月に、ヒューレット・パッカード社のヤング社長が「競争力協議会」を設立し、産業競争力大統領諮問委員会報告(ヤングレポート)を提出した。政府レベルでは'86年8月経済関係閣僚会議の下に「国際競争力問題作業グループ」が発足し、議会レベルでも'87年初「競争力問題超党派協議会」が出来た。
'88年に入り、マサチューセッツ工科大学は「産業生産性委員会」を発足させ、長期的・構造的観点から米国産業の競争力を分析している。その中間報告によれば、米国産業は以下の5つの構造的かつ基本的な問題点があると指摘した。
(1)短期的視野に基づく経営、財務成績に過度に重点を置きがちである為、研究開発(R&D)投資不足、人材・設備投資不足を招いている。
(2)広く世界をを見ない。外国の競争相手の経営戦略に関する知識・情報が少ない。
(3)企業内における協調体制、競争相手との調和、下請け企業との協力が不十分である。
(4)人的資源の管理、人材活用面での遅れ。研修、動機付けは単なる費用項目の一つと見なされるべく切り詰められている。
(5)構造がシンプルで故障が少なく、品質の高い製品を作り出す目的に技術が利用されていない。
一方、最近ニューヨーク連邦準備銀行は、米国製造業の(中期的な)競争力についての調査結果を発表している。それによれば米国産業の競争力低下は、'80年代前半のドル高に伴い価格面で競争力が弱まったのが最大の原因と分析、最近の競争力回復も'85年以降のドル高是正が大きく寄与していると指摘している。
(1988年10月01日「調査月報」)
このレポートの関連カテゴリ
大山 博史
研究・専門分野
大山 博史のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
1989/09/01 | 製品輸入増大の日本経済に及ぼす影響と輸入の持続性 | 大山 博史 | 調査月報 |
1988/10/01 | 米国産業の国際競争力回復について | 大山 博史 | 調査月報 |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年07月26日
職場における温度、匂い、音等は、どういう人がシンドイと思っているのか -
2024年07月26日
米GDP(24年4-6月期)-前期比年率+2.8%と前期から大幅上昇、市場予想の+2.0%も大幅に上回る -
2024年07月26日
お金の流れでみる日本経済 -
2024年07月25日
消えた580兆円~住宅投資をしても残高の増加は限定的~日本の住宅投資はなぜ「資産化」しないのか~ -
2024年07月24日
中国経済の現状と注目点-好調は持続せず、不動産不況と貿易摩擦で弱り目に祟り目の中国経済
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【米国産業の国際競争力回復について】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
米国産業の国際競争力回復についてのレポート Topへ