- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 脚光を浴びる国民総所得(GNI)
2013年06月14日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 安倍首相が成長戦略第3弾のスピーチで、1人当たりの国民総所得(GNI)を重視することを表明したことをきっかけに、「国民総所得」がにわかに脚光を浴びている。
- 国民総所得(GNI)は家計の所得そのものではない。巨額の対外純資産を背景とした海外からの利子や配当の受取の増加を主因として、名目GNIは名目GDPを上回るペースで拡大しているが、賃金の低迷や低金利による財産所得の減少などから、国民総所得に占める家計の割合は低下している。
- 実質GNIを見る際には、交易条件の影響を考慮する必要がある。日本は長期にわたり交易条件の悪化が続いているため、実質GNI成長率が実質GDP成長率を下回る傾向がある。交易利得はこの10年間で▲26.4兆円も減少している。
- 実質GNI成長率が実質GDP成長率よりも高くなるためには、輸入品に対する価格交渉力の強化などを通じて、交易条件の悪化による海外への所得流出に歯止めをかける必要がある。GNI成長率がGDP成長率を上回ることは名目では比較的容易だが、実質ベースで実現することは困難な課題といえる。
(2013年06月14日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/07/11 | トランプ関税の日本経済への波及経路-実質GDPよりも実質GDIの悪化に注意 | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/08 | 2025・2026年度経済見通し | 斎藤 太郎 | 基礎研マンスリー |
2025/06/30 | 鉱工業生産25年5月-4-6月期は2四半期連続減産の可能性が高まる | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/27 | 雇用関連統計25年5月-新規求人倍率は3年6ヵ月ぶりの低水準も、労働市場全体の需給を反映せず | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年07月11日
トランプ関税の日本経済への波及経路-実質GDPよりも実質GDIの悪化に注意 -
2025年07月10日
企業物価指数2025年6月~ガソリン補助金の影響などで、国内企業物価は前年比3%を割り込む~ -
2025年07月10日
ドイツの生命保険監督を巡る動向(2)-BaFinの2024年Annual ReportやGDVの公表資料からの抜粋報告(生命保険会社等の監督及び業績等の状況)- -
2025年07月09日
バランスシート調整の日中比較(後編)-不良債権処理で後手に回った日本と先手を打ってきた中国 -
2025年07月09日
貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【脚光を浴びる国民総所得(GNI)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
脚光を浴びる国民総所得(GNI)のレポート Topへ