2016年08月05日

インドで膨張する不良債権と問題克服に向けた取組み

経済研究部 研究員   斉藤 誠

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■要旨
 
  • インドは高成長が続いているものの、貸出シェア7割を占める公営銀行を中心に不良債権が膨張して貸出が伸び悩み、潜在力を十分に発揮しきれていない状況にある。
     
  • 不良債権が増加した背景には、公営銀行の非効率的な経営の問題に加え、鉱工業が08年の金融危機後の内外需要の低迷とコモディティ安によって業績が悪化したこと、インフラ・プロジェクトが土地収用や許認可取得の遅れによって停滞したことがある。
     
  • 中央銀行と政府は不良債権問題の克服に向けて協調し、不良債権の経済価値の適切な把握、リスク管理の強化、不良債権処理の促進、銀行と企業双方の収益力強化に適う総合的な対策を打ち出している。
     
  • 先行きは堅調な景気と資産インフレを追い風に、中央銀行と政府の総合的な対策が奏功して不良債権残高は頭打ちし、減少に向かうと予想される。しかし、今後も銀行は不良債権処理のために引当金を繰り入れ、バーゼルⅢ適合に向けて資本を積み上げていく必要があり、銀行の金融仲介機能の健全化には暫く時間がかかりそうだ。

■目次

1――はじめに
2――銀行貸出の現状と問題点
  2-1|銀行貸出の状況
  2-2|不良債権問題に苦しむ商業銀行
3――不良債権問題の克服に向けた取組み
  3-1|不良債権の経済価値の適切な把握
  3-2|リスク管理の強化
  3-3|不良債権処理の促進
  3-4|銀行と企業双方の収益力強化
4――不良債権問題の展望
5――おわりに
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経済研究部   研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
アジア・新興国経済

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