2015年12月01日

年金改革ウォッチ 2015年12月号~ポイント解説:日本年金機構の見直し論議

保険研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任   中嶋 邦夫

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1 ――― 先月までの動き

年金数理部会では、2014年の財政検証について各運営主体へのヒアリングが終わり、被用者年金一元化等に関するセミナーが開かれました。年金事業管理部会では、日本年金機構の業務改善計画について、活発な議論が行われました。
 
○社会保障審議会 年金数理部会
10月7日(第66回)テーマ 平成26年財政検証のヒアリング(国家公務員共済) ほか
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000101275.html    (配布資料)
11月30日(第67回)テーマ 被用者年金制度の一元化と今後の年金財政 ほか
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000102695.html    (開催案内)
 
○社会保障審議会 年金事業管理部会
10月7日(第16回) テーマ 年金事務所における業務実施状況の視察等
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000100007.html    (配布資料)
10月27日(第17回) テーマ 日本年金機構の業務改善に向けての課題 ほか
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000102893.html    (配布資料)
11月19日(第18回) テーマ 業務改善に向けての課題、業務改善計画の方向性 ほか
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000104756.html    (配布資料)
 
○10月20日 社会保障審議会 特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会 (第5回)
テーマ 承認基準(省令案)、事務の取扱い ほか
URL http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000101757.html    (配布資料)
 

2 ――― ポイント解説:日本年金機構の見直し論議

図表1 日本年金機構再生本部等の設置までの経緯 10月1日、日本年金機構に「日本年金機構再生本部」「日本年金機構情報管理対策本部」が設置され、業務全般にわたる見直しが検討されています。本稿では、これまでの経緯と検討の概要を確認します。

1│ 経緯:発端は今年5月に起きた情報流出。9月の業務改善命令を受けて再生本部等を設置。

再生本部や情報管理対策本部(ともに本部長=同機構理事長)が設置された直接の契機は、今年5月に起きた情報流出です。情報流出は標的型ウイルスメールによる攻撃が原因でしたが、日本年金機構が設置した調査委員会(委員長=同機構理事長)は、ガバナンスの脆弱さやルールの不徹底など旧社会保険庁時代から指摘された諸問題が今回の問題の根底にあると指摘し、情報管理対策本部に加えて再生本部も設置する方針を示しました。

8月に公表された日本年金機構の業務実績報告や厚生労働省の業務実績評価は、本来は2014年度のみが対象ですが、今回の情報流出も取り上げ、個人情報保護などをD評価(大幅改善が必要)としました。これを受けて、厚生労働大臣は法律に基づいて、日本年金機構へ業務改善を命じました*1
 
2|検討の概要:情報セキュリティにとどまらず、組織体制や人事評価などの根本から見直し。

業務改善命令は、(1)組織の一体化や内部統制の確保、(2)国民の信頼を得る情報開示、(3)情報セキュリティの強化、について、今年の12月初旬までに改善計画の提出を求めています。10月27日の社会保障審議会年金事業管理部会では業務改善に向けた課題が示され、11月19日の同部会では組織や情報開示に関する業務改善計画の方向性が示されました。

公表された課題や方向性によれば、情報セキュリティにとどまらず、組織体制や人事評価などの根本からの見直しが検討されています。12月初旬までという短い期間で作成された計画がどのように具体化されていくのか、今後の動向が注目されます。
 
図表2 業務改善計画の方向性(ポイント)
 
*1 業務実績評価結果と業務改善命令は、厚生労働大臣が社会保障審議会年金事業管理部会に案を諮問し、同部会の答申を受けて発出されました。

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保険研究部   主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任

中嶋 邦夫 (なかしま くにお)

研究・専門分野
公的年金財政、年金制度

(2015年12月01日「基礎研レター」)

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