2023年06月23日

欧州保険会社が2022年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(3)-SFCRからの具体的内容の抜粋報告(その2)-

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2|USP(Undertakings Specific Parameters:会社固有パラメータ)の使用状況
生命保険及び健康保険改訂リスク、損害保険(健康保険の一部を含む)の保険料及び責任準備金リスクに対しては、標準式で使用されているパラメータの代わりに、監督当局の承認を得て、会社固有のパラメータUSPを用いることができる。

大手5グループのうち、以下の3グループは、USPの使用に関して明示的に記述している。

・Allianzは、Fragonard Assurance S.A.とAGA International.の損害保険の保険料リスクの標準偏差に対してUSPを使用している(また、USPの使用によるSCR及びMCRへの影響は1%未満であるとしている)。

・Generaliは、Europe Assistance Group、イタリアの会社DAS(Difesa Automobilistica Sinistri)とEuro Assistance Group、TUA Assicurazioni S.p.A.及びSocieta Cattolica di Assicurazione S.p.A.のSCRの計算に、USPを使用している。

・Avivaは、SCRの算定にUSPを使用していない。

AXA、Aegonについては文中に明示的な記載はないが、QRTsによれば、USPは使用していない。
3|簡素化(Simplification)の使用
Allianzは、標準式の計算におけるカウンターパーティデフォールトリスクモジュールに簡素化を使用している。

その他の会社は、SCRの算出における簡素化は使用していない。

3―まとめ

3―まとめ

今回のレポートでは、欧州大手保険グループ各社の2022年のSFCR(含むQRTs(定量的報告テンプレート))の内容から、SCRとMCRの計算方法の説明について報告した。

次回のレポートでは、内部モデルの使用状況及び分散効果の状況等について報告する。
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中村 亮一

研究・専門分野

(2023年06月23日「保険・年金フォーカス」)

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