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年金額改定の本来の意義は実質的な価値の維持-2023年度の年金額と2024年度以降の見通し (1)
保険研究部 上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任 中嶋 邦夫
6月15日は、2023年度で最初の公的年金(4~5月分)の支給日である。本稿では、年金額改定のルールのうちマクロ経済スライドによる調整(年金財政健全化のための調整)について、意義や経緯を確認する。
■目次
1 ―― 本稿の問題意識:年金額改定の本来の意義を確認する
2 ―― 改定ルールの全体像:本来のルールと年金財政健全化のための調整ルールの2つを適用
3 ―― 本来の改定ルールの基本的な意義:年金額の実質的な価値を維持するため
4 ―― 本来の改定の特例:当初は当面の受給者に配慮、2021年度からは将来の給付水準に配慮
1|2004年改正で特例ルールが設けられた意図:当面の受給者への配慮
2|特例ルールの見直し(2016年改正、2021年度施行)
:将来の給付水準や現在の現役世代を考慮
5 ―― 本来の改定ルールの適用状況:財政悪化パターンが大半だったが、制度改正で中立的に。
68歳以上の改定率を抑えて年金財政を改善する仕組みは、2023年度に初めて機能。
6 ―― 総括:年金額の実質的な価値を維持しながら、少子化・長寿化や世代間バランスにも対応
(2023年06月08日「基礎研レポート」)
03-3512-1859
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
中嶋 邦夫のレポート
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