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将来世代の給付低下を抑えるため少子化や長寿化に合わせて調整-2023年度の年金額と2024年度以降の見通し (2)
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/52_ext_01_0.jpeg?v=1591664309)
保険研究部 上席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査室長 兼任 中嶋 邦夫
6月15日は、2023年度で最初の公的年金(4~5月分)の支給日である。本稿では、年金額改定のルールのうちマクロ経済スライドによる調整(年金財政健全化のための調整)について、意義や経緯を確認する。
■目次
1 ―― 本稿の問題意識:年金額改定の本来の意義を確認する
2 ―― 改定ルールの全体像:本来のルールと年金財政健全化のための調整ルールの2つを適用
3 ―― 年金財政健全化のための調整ルール(いわゆるマクロ経済スライド)
1|導入の経緯:2004年改正で保険料の引上げ停止とセットで導入
2|仕組みの概略
:少子化や長寿化という人数の変化の影響を、毎年の年金額(単価)の見直しで吸収
3|仕組みの詳細:年金財政を単純化して考えると、改定率=賃金変動率+調整率となる
4|もう1つの効果:世代間の不公平を改善
4 ―― 特例ルール(いわゆる名目下限ルール):当面の受給者に配慮しつつ、将来の受給者へも
配慮
1|特例創設時の考え方:特例該当はまれと考え、当面の受給者の生活に配慮
2|特例見直し時の考え方(2016年改正)
:特例該当の頻発に対処するため、未調整分を繰越し
3|特例見直しの意義と課題
:将来の給付水準の低下を抑えるが、繰越が溜まった場合に政治リスク
5 ―― 総括:将来世代の給付低下を抑えるために、少子化や長寿化に合わせて当面の年金額を調整
(2023年06月08日「基礎研レポート」)
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/52_ext_01_0.jpeg?v=1591664309)
03-3512-1859
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
中嶋 邦夫のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/07/09 | 個人事業所への厚生年金の適用拡大では、適用の徹底が課題~年金改革ウォッチ 2024年7月号 | 中嶋 邦夫 | 保険・年金フォーカス |
2024/06/21 | 現役世代の実質賃金下落が年金額の目減りに影響し続ける可能性-2024年度の年金額と2025年度以降の見通し (4) | 中嶋 邦夫 | 基礎研レポート |
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2024/06/17 | 将来世代の給付低下を抑えるため少子化や長寿化に合わせて調整-2024年度の年金額と2025年度以降の見通し (2) | 中嶋 邦夫 | 基礎研レポート |
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