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- 米国個人年金販売額は2025年上半期も過去最高記録を更新-但し保有残高純増は別の課題-
2025年11月04日
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■要旨
米国における個人年金の販売額は2021年以降昨年まで前年比増加を続けてきたが、2025年は金利の低下が見込まれ、これまで販売実績を牽引してきた定額年金の減速によって前年比減少が予想されていた。
だが実際には第1・第2四半期とも1,000億ドルを超える販売実績を確保し、上半期として2,258億ドルと過去最高記録を更新した。連邦公開市場委員会(FОMC)は昨年9月より利下げを開始したものの、2025年に入っては1月の会合で利下げを急がない旨を明確に示し、上半期に利下げは行われなかった。
好調な新規契約にも関わらず、2025年第1四半期で保有残高は若干ながら減少となった。米国ではExchange 1035によって自社のみならず異なる生命保険会社の個人年金であっても課税繰り延べ効果を保ったまま切り替えることが可能であり、2023年は、個人年金からの切り替えが新規契約の半分前後であったとされる。他方、まだまだ資産運用商品としての側面が重視されており、個人年金マーケットの外からの資金流入があっても、逆にほぼ同額の資金が流出し、結果として保有残高の純増が進まない構造にある。
今後の金利低下が見込まれる中、相対的に高金利となる既存の定額年金の解約が抑制される一方で、新規契約は伸びないと予想されている。一般に新規契約時に支払われる販売手数料が他の手数料より高額と想定されるため、保有残高が一定のまま新規契約の比率が下がるのなら、むしろ生命保険会社の収益性は向上するという皮肉な分析も成立しうる。
■目次
1――はじめに
2――2025年上半期の販売実績
3――保有残高の状況
4――おわりに
米国における個人年金の販売額は2021年以降昨年まで前年比増加を続けてきたが、2025年は金利の低下が見込まれ、これまで販売実績を牽引してきた定額年金の減速によって前年比減少が予想されていた。
だが実際には第1・第2四半期とも1,000億ドルを超える販売実績を確保し、上半期として2,258億ドルと過去最高記録を更新した。連邦公開市場委員会(FОMC)は昨年9月より利下げを開始したものの、2025年に入っては1月の会合で利下げを急がない旨を明確に示し、上半期に利下げは行われなかった。
好調な新規契約にも関わらず、2025年第1四半期で保有残高は若干ながら減少となった。米国ではExchange 1035によって自社のみならず異なる生命保険会社の個人年金であっても課税繰り延べ効果を保ったまま切り替えることが可能であり、2023年は、個人年金からの切り替えが新規契約の半分前後であったとされる。他方、まだまだ資産運用商品としての側面が重視されており、個人年金マーケットの外からの資金流入があっても、逆にほぼ同額の資金が流出し、結果として保有残高の純増が進まない構造にある。
今後の金利低下が見込まれる中、相対的に高金利となる既存の定額年金の解約が抑制される一方で、新規契約は伸びないと予想されている。一般に新規契約時に支払われる販売手数料が他の手数料より高額と想定されるため、保有残高が一定のまま新規契約の比率が下がるのなら、むしろ生命保険会社の収益性は向上するという皮肉な分析も成立しうる。
■目次
1――はじめに
2――2025年上半期の販売実績
3――保有残高の状況
4――おわりに
(2025年11月04日「保険・年金フォーカス」)
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経歴
- 【職歴】
1990年 日本生命保険相互会社に入社。
通算して10年間、米国3都市(ニューヨーク、アトランタ、ロサンゼルス)に駐在し、現地の民間医療保険に従事。
日本生命では法人営業が長く、官公庁、IT企業、リース会社、電力会社、総合型年金基金など幅広く担当。
2015年から2年間、公益財団法人国際金融情報センターにて欧州部長兼アフリカ部長。
資産運用会社における機関投資家向け商品提案、生命保険の銀行窓版推進の経験も持つ。
【加入団体等】
日本FP協会(CFP)
生命保険経営学会
一般社団法人 アフリカ協会
一般社団法人 ジャパン・リスク・フォーラム
2006年 保険毎日新聞社より「アメリカの民間医療保険」を出版
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