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- 米国個人年金販売額は2024年も過去最高を更新-トランプ関税政策で今後の動向は不透明に-
2025年04月30日
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■要旨
米国における個人年金の販売額は2021年以降2023年まで前年比増加を続けてきたが、2024年は金利の低下が見込まれ、これまで販売実績を牽引してきた定額年金の減速によって前年比減少が予想されていた。
しかし実際には全四半期で1,000億ドル超えを果たし、通年では4,341億ドルと前年比13%増で過去最高記録を更新するに至った。連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げを開始したのが9月中旬と遅く影響が限られたこと、堅調な株式市場に支えられて定額指数連動年金が伸びを確保し変額年金が増加に転じたことによる。
2027年までの中期見通しでは、株式市場は安定的ながらも金利低下が激しい逆風となって、2025年以降対前年減少が続くと予想されている。とはいえ、65歳以上人口の増加によって個人年金の市場規模が引き続き拡大していく構図に変わりはない。
他方、トランプ政権による関税政策が世界を揺るがす中、不安定な株式市場と高金利といった中期見通しの想定と逆の市場環境が現実化することも否定できない。今後の動向に注視が必要である。
■目次
1――はじめに
2――2024年の販売実績
3――中期見通し(参考、2024年12月時点)
4――おわりに
米国における個人年金の販売額は2021年以降2023年まで前年比増加を続けてきたが、2024年は金利の低下が見込まれ、これまで販売実績を牽引してきた定額年金の減速によって前年比減少が予想されていた。
しかし実際には全四半期で1,000億ドル超えを果たし、通年では4,341億ドルと前年比13%増で過去最高記録を更新するに至った。連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げを開始したのが9月中旬と遅く影響が限られたこと、堅調な株式市場に支えられて定額指数連動年金が伸びを確保し変額年金が増加に転じたことによる。
2027年までの中期見通しでは、株式市場は安定的ながらも金利低下が激しい逆風となって、2025年以降対前年減少が続くと予想されている。とはいえ、65歳以上人口の増加によって個人年金の市場規模が引き続き拡大していく構図に変わりはない。
他方、トランプ政権による関税政策が世界を揺るがす中、不安定な株式市場と高金利といった中期見通しの想定と逆の市場環境が現実化することも否定できない。今後の動向に注視が必要である。
■目次
1――はじめに
2――2024年の販売実績
3――中期見通し(参考、2024年12月時点)
4――おわりに
(2025年04月30日「保険・年金フォーカス」)
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経歴
- 【職歴】
1990年 日本生命保険相互会社に入社。
通算して10年間、米国3都市(ニューヨーク、アトランタ、ロサンゼルス)に駐在し、現地の民間医療保険に従事。
日本生命では法人営業が長く、官公庁、IT企業、リース会社、電力会社、総合型年金基金など幅広く担当。
2015年から2年間、公益財団法人国際金融情報センターにて欧州部長兼アフリカ部長。
資産運用会社における機関投資家向け商品提案、生命保険の銀行窓版推進の経験も持つ。
【加入団体等】
日本FP協会(CFP)
生命保険経営学会
一般社団法人 アフリカ協会
一般社団法人 ジャパン・リスク・フォーラム
2006年 保険毎日新聞社より「アメリカの民間医療保険」を出版
磯部 広貴のレポート
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