- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 年金資産運用 >
- 確定拠出年金加入者と株価下落
2022年08月03日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
株式市場の波乱が続いている。6月末までに内外の株価はピークから1割ほど下落した。株式投信などリスクの高い商品に投資している確定拠出年金の加入者の中には、預金など低リスク商品に乗り換えようかと考えている人もいるだろう。しかし、過去の経験から見ると市場波乱時でも株式などへの投資を続ける方が賢明なことが多い。株価の安い時期にも投資することで同じ拠出額でより多くの株式を買い、より大きな投資収益をあげることができた。
問題は加入者が持つ、足下の株価下落がずっと続くのではという恐怖である。株価下落のニュースを耳にし、損失を確認する頻度が増えるほど、この恐怖からリスクの高い商品での運用を止めようとする。行動経済学で言う「近視眼的損失回避」である。
インデックスファンドの父と呼ばれた故ジョン・ボーグル氏は確定拠出年金加入者に「引退直前まで残高報告書を一度も開くな」、と勧めたという。損失を自分の目で見た加入者が、リスクを回避する行動に走ることをボーグル氏も理解していたのだろう。幸い現在の確定拠出年金の加入者が紙の運用報告を受け取るのは、普通は年1、2回のようだ。そうであれば、ネットやアプリから損失を確認する頻度を抑えて、昨今の状況でもリスクを回避する近視眼的な行動を減らすことができる。それが行動経済学の示唆なのである。
問題は加入者が持つ、足下の株価下落がずっと続くのではという恐怖である。株価下落のニュースを耳にし、損失を確認する頻度が増えるほど、この恐怖からリスクの高い商品での運用を止めようとする。行動経済学で言う「近視眼的損失回避」である。
インデックスファンドの父と呼ばれた故ジョン・ボーグル氏は確定拠出年金加入者に「引退直前まで残高報告書を一度も開くな」、と勧めたという。損失を自分の目で見た加入者が、リスクを回避する行動に走ることをボーグル氏も理解していたのだろう。幸い現在の確定拠出年金の加入者が紙の運用報告を受け取るのは、普通は年1、2回のようだ。そうであれば、ネットやアプリから損失を確認する頻度を抑えて、昨今の状況でもリスクを回避する近視眼的な行動を減らすことができる。それが行動経済学の示唆なのである。
(2022年08月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年07月10日
ドイツの生命保険監督を巡る動向(2)-BaFinの2024年Annual ReportやGDVの公表資料からの抜粋報告(生命保険会社等の監督及び業績等の状況)- -
2025年07月09日
バランスシート調整の日中比較(後編)-不良債権処理で後手に回った日本と先手を打ってきた中国 -
2025年07月09日
貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 -
2025年07月09日
景気ウォッチャー調査2025年6月~気温上昇で夏物商材の売れ行きが好調、現状判断DIは2ヵ月連続の上昇~ -
2025年07月09日
「専業主婦世帯」理想は、若年男女の5%未満 【脱・中高年民主主義】大人気就職エリア、東京在勤若者の理想のライフコースとは?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【確定拠出年金加入者と株価下落】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
確定拠出年金加入者と株価下落のレポート Topへ