2019年12月04日

社会保障における公平とは

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公的年金の老齢給付を考える時には、当然、生活保護との兼ね合いが意識される。国民の誰もが有している“健康で文化的な最低限度の生活を営む権利”(憲法第25 条)を守るためである。生活保護の場合は、年金と異なって事前の保険料納付は求められない。国民年金保険料を支払って来たのに、老齢給付の受給額が生活保護を受ける金額を下回るとしたら、明らかに不公平だろう。

一方で、所得とは無関係に一律に定められている国民年金保険料(減免や免除の制度は別途設けられている)を越えて、被用者は厚生年金保険料を徴収されている。その結果として、厚生年金の老齢給付額は国民年金のみの場合より大きくなる。しかも、厚生年金保険料の半額は雇用主が支払っている。現在の負担が、将来の老齢給付を上乗せすることに繋がっているのである。

いわゆる非正規雇用者の労働環境改善に向けて「同一労働同一賃金」の原則が制度化される。それならば、当然、いわゆる正規雇用者と同一の厚生年金保険料を、被用者と雇用者とが負担することが公平であろう。厚生年金への加入拡大による保険料負担が家計収入を減少させ、雇用者の経費負担を拡大するという反対意見は、制度の一部に対する「良いとこ取り」にしか聞こえない。保険料納付の拡大こそが、年金財政の改善に向けた第一歩である。
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(2019年12月04日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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