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2019年11月06日
次期年金改革に向けて議論が進められている。財政検証のオプション試算の中でも、厚生年金の適用拡大、繰下げ受給の柔軟化、在職老齢年金の見直し、という過去の閣議決定等に盛り込まれた項目が優先されており、政治主導の印象を受ける。
厚生年金の適用拡大は、正社員501人以上の企業では実施済で、次期改革の対象は500人以下の中小企業である。中小企業からは段階的な実施や助成金を求める声が上がっているが、このほかに要望されているのが、在職老齢年金の廃止か緩和である。
在職老齢年金は、一定程度以上の給与を得ると年金が減額される仕組みである。65歳以降の在職者の2割弱が減額対象者であり、その約4割では給与と年金額の合計が月額70万円を超えている。減額が緩和されれば年金財政が悪化し、将来の給付水準が下がる。豊かな高齢者の恩恵と将来世代の負担とのバランスが課題である。
この課題を意識してか、オプション試算には厚生年金の対象年齢を70歳から75歳に引き上げる案も盛り込まれた。閣議決定等にはなかった内容だが、次期年金改革のバランス感覚を測る試金石として、今後の議論が注目される。
厚生年金の適用拡大は、正社員501人以上の企業では実施済で、次期改革の対象は500人以下の中小企業である。中小企業からは段階的な実施や助成金を求める声が上がっているが、このほかに要望されているのが、在職老齢年金の廃止か緩和である。
在職老齢年金は、一定程度以上の給与を得ると年金が減額される仕組みである。65歳以降の在職者の2割弱が減額対象者であり、その約4割では給与と年金額の合計が月額70万円を超えている。減額が緩和されれば年金財政が悪化し、将来の給付水準が下がる。豊かな高齢者の恩恵と将来世代の負担とのバランスが課題である。
この課題を意識してか、オプション試算には厚生年金の対象年齢を70歳から75歳に引き上げる案も盛り込まれた。閣議決定等にはなかった内容だが、次期年金改革のバランス感覚を測る試金石として、今後の議論が注目される。
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(2019年11月06日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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