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- 高まる非継続基準を意識したDB運営の必要性
2018年07月04日
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確定給付企業年金では、継続基準と非継続基準の財政検証を通じて、積立金が適切に確保されているかどうかを、毎年度チェックすることが規定されている。このうち非継続基準では、年金制度を即時に終了することを前提に、過去の勤務に対応した給付支払いに必要な積立金が確保されているかどうかが検証される。
必要な積立金は、過去の勤務に対応する将来の給付額を割引くことで計算されるが、その際、30 年国債利回りの5年平均を基準とする予定利率が、割引率として全てのDBに一律に適用される。
30 年国債利回りは日銀のマイナス金利政策以降、1%を下回っていることもあり、2018 年度に適用される予定利率は1.24%と、5年前の2.13%から大きく低下している。30 年国債利回りが現行水準で推移すれば、予定利率は今後数年間で更に低下し、1%を割込むことになる。そうなれば、非継続基準をクリアするためのハードルは一段と高まり、掛金の追加設定が現実的な課題となる。
インフレ率が高まらず、日銀の出口戦略は未だ見通せない。こうした中、DBの運営においては、非継続基準を意識しつつ、運用面だけでなく、リスク対応掛金の設定等の対応を検討する必要性が高まりつつあると言える。
必要な積立金は、過去の勤務に対応する将来の給付額を割引くことで計算されるが、その際、30 年国債利回りの5年平均を基準とする予定利率が、割引率として全てのDBに一律に適用される。
30 年国債利回りは日銀のマイナス金利政策以降、1%を下回っていることもあり、2018 年度に適用される予定利率は1.24%と、5年前の2.13%から大きく低下している。30 年国債利回りが現行水準で推移すれば、予定利率は今後数年間で更に低下し、1%を割込むことになる。そうなれば、非継続基準をクリアするためのハードルは一段と高まり、掛金の追加設定が現実的な課題となる。
インフレ率が高まらず、日銀の出口戦略は未だ見通せない。こうした中、DBの運営においては、非継続基準を意識しつつ、運用面だけでなく、リスク対応掛金の設定等の対応を検討する必要性が高まりつつあると言える。
(2018年07月04日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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