- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 貸出・マネタリー統計(17年10月)~投資信託の前年割れが継続
2017年11月10日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
4.マネーストック: 投資信託の前年割れが継続
M3の内訳を見ると、預金通貨(普通預金など)の伸び率は前年比7.9%(前月改定値は8.1%)と低下したものの(図表10)、現金通貨の伸び率が前年比4.8%(前月は4.7%)と上昇したほか、準通貨(定期預金など、前月改定値▲1.3%→当月▲1.1%)、CD(前月改定値▲0.6%→当月▲0.1%)の伸び率がマイナス幅を縮小し、M3の伸び率上昇に寄与した(図表11)。

内訳では、残高規模の大きい金銭の信託(前月7.1%→当月8.0%)が引き続きプラス幅を拡大し、従来同様、広義流動性の伸びを牽引している(図表12)。また、円安を背景として外債(前月15.8%→当月17.3%)の伸びも引き続き上昇した。一方、家計が大半を保有し、注目度の高い投資信託(元本ベース)の伸び(前月改定値▲0.9%→当月▲1.1%)はマイナス幅を拡大。3ヵ月連続の前年割れとなった。
投資信託の低迷については、金融庁の批判を受けて、かつての大ヒット商品であった毎月分配型投信が販売自粛されていることや、株価上昇に伴う利益確定売りの影響もあるが、基本的には盛り上がりを欠く家計の投資マインドを反映したものと考えられる。一方で、家計保有の預金通貨(普通預金など)は統計開始以来の高い伸び(9月時点で前年比7.5%)となっており、「貯蓄から投資へ」の動きは確認できない。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2017年11月10日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/12 | 貸出・マネタリー統計(25年7月)~銀行貸出が連月で急増、定期預金も増勢を拡大中 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/04 | 長期金利1.6%到達は通過点か?~今後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/23 | 参院選・日米関税合意を受けて円相場はどう動く?~マーケット・カルテ8月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/07/09 | 貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月15日
マレーシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+4.4%~堅調な内需に支えられて横ばいの成長に -
2025年08月15日
グローバル株式市場動向(2025年7月)-米国と日欧の関税大枠合意により安心感が広がる -
2025年08月15日
生成AIを金融リスク分析の視点から読み解いてみる-なぜ人間によるファクトチェックが必要なのか -
2025年08月15日
QE速報:2025年4-6月期の実質GDPは前期比0.3%(年率1.0%)-トランプ関税下でも輸出が増加し、プラス成長を確保 -
2025年08月15日
地方で暮らすということ-都市と地方の消費構造の違い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【貸出・マネタリー統計(17年10月)~投資信託の前年割れが継続】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
貸出・マネタリー統計(17年10月)~投資信託の前年割れが継続のレポート Topへ