2017年08月21日

東京都心部Aクラスビルのオフィス市況見通し(2017年8月)-2017年Q3期~2021年Q3期のオフィス賃料・空室率

  竹内 一雅

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5. 東京都心部Aクラスビル市況見通し

景気の予想以上の回復や、東京都心部Aクラスビルの供給見通しの変化などを基に、2021年半ばまでの東京都心部Aクラスビルの市況見通しを四半期別に予測した。

その結果、東京都心部Aクラスビルの賃料は、2017年Q4期までほぼ横ばいで推移した後に、ゆるやかな下落局面に入り、2021年Q2期を底にしだいに上昇すると予測された(図表-8)。また、Aクラスビルの空室率は、2018年Q1期から上昇に転じ、2020年Q2期をピークにほぼ横ばいで推移すると予測された。

今後の賃料の底は2021年Q2期で2017年Q2期と比べ▲19.0%の下落となり、2021年後半から少しずつ上昇が始まると予測された(標準シナリオ)。楽観シナリオの底値は2021年Q1期で同▲8.9%の下落、悲観シナリオの底値は2021年Q2期で同▲30.1%の下落と予測された7

本稿の見通しを本年2月に実施した結果と比べると、賃料が底となる時期が2020年Q3期から2021年Q2期へと3四半期遅くなるとともに、底値は月坪で数百円高い水準となった。空室率のピークは2020年Q2期で前回見通し変わりはないが、今回の推計では2020年の大量供給の影響でその後の改善が進まず、2021年Q2期まで横ばいで推移するという結果だった。
図表-8 東京都心部Aクラスビルのオフィス市況見通し(四半期推計)
 
7 前回の見通し(2017年2月推計)と比べ、底値は上昇したのに、底値までの下落率が若干拡大している。それは、今回の基準(2017年Q2期、月坪34,755円)が前回の基準(2016年Q4期、月坪33,785円)より1千円近く上昇したためである。参考までに2016年Q4期からの底値までの下落率は、標準シナリオで▲16.7%(前回推計では▲18.1%)、楽観シナリオで▲6.3%(同▲9.3%)、悲観シナリオで▲28.1%(同▲29.3%)だった。
 

6. おわりに

6. おわりに

本稿は、過去半年間で明らかとなった東京都心部Aクラスビルの竣工予定時期の変更と、経済成長率の変化などから、今後の市況予測を見直したものである。ただし、賃料水準が高止まりして踊り場にあるタイミングでの予測は難しく、予測結果から上振れや下振れする可能性も高い。日本人の人口減少や人手不足は本格化しており、その中で2023年と2024年には再び大量供給が予定されている。次の大量供給への対応のためにも、日本経済・企業の国際的競争力の向上や東京の魅力向上は欠かせない。引き続き、東京都心部の業務機能のさらなる国際化や高度化・生産性向上、多様化、複合化、起業支援、働きやすい職場環境の整備などが求められる。
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竹内 一雅

研究・専門分野

(2017年08月21日「不動産投資レポート」)

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