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- 【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(7月号)~輸出は一段と上昇し、好調が鮮明に
2017年07月11日
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タイの17年5月の輸出額は前年同月比13.2%増と、前月の同8.5%増から再び上昇した。輸出の伸びは上下に大きな振れを伴いながら、16年初の資源価格の上昇と年後半からの電子製品やゴム製品、石油製品の海外需要の増加を受けて回復傾向が鮮明になっている。一方、輸入額は前年同月比18.2%増と、前月の同13.4%増から上昇した。結果、貿易収支は9.4億ドルの小幅の黒字となり、前月から8.9億ドル増加した(図表3)。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同12.8%増と、前月の同7.9%増から一段と上昇した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、航空機・船舶・機関車(同294.2%増)と2カ月連続の三桁増を記録したほか、主力の自動車・部品(同8.1%増)や電子機器(同25.0%増)をはじめ、家電製品(同6.3%増)、機械・装置(同20.5%増)、石油化学製品(同16.2%増)も、それぞれ前月から上昇した。また農産品・加工品は同20.1%増(前月:同13.3%増)となり、加工食品(同12.0%増)やゴム(同45.1%増)、ゴム製品(46.0%増)を中心に好調に推移している。一方、鉱業・燃料は同30.2%増(前月:同36.0%増)と、石油製品を中心に二桁増が続いている。
輸出を品目別に見ると、全体の約8割を占める主要工業製品は同12.8%増と、前月の同7.9%増から一段と上昇した(図表4)。工業製品の内訳を見ると、航空機・船舶・機関車(同294.2%増)と2カ月連続の三桁増を記録したほか、主力の自動車・部品(同8.1%増)や電子機器(同25.0%増)をはじめ、家電製品(同6.3%増)、機械・装置(同20.5%増)、石油化学製品(同16.2%増)も、それぞれ前月から上昇した。また農産品・加工品は同20.1%増(前月:同13.3%増)となり、加工食品(同12.0%増)やゴム(同45.1%増)、ゴム製品(46.0%増)を中心に好調に推移している。一方、鉱業・燃料は同30.2%増(前月:同36.0%増)と、石油製品を中心に二桁増が続いている。
マレーシアの17年5月の輸出額は前年同月比23.9%増と、前月の同6.6%増から上昇して二ヵ月ぶりの二桁増となった。輸出額は資源価格の上昇や海外需要の回復によって16年初から増加傾向が続けている。足元では輸出に伸び悩む動きが見られたものの、5月の急上昇で好調が続いていることが明らかになった。一方、輸入額も前年同月比22.0%増と、前月の同10.4%増から上昇した。結果、貿易収支は12.7億ドルの黒字と、前月から6.9億ドル黒字が縮小した(図表5)。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同21.4%増と、主力の電気・電子製品(同22.8%増)が一段と増加して前月の同4.4%増から上昇した(図表6)。また動植物性油脂も同18.3%増と、パーム油(同16.9%増)が好調だったほか、前月に下振れたパーム核油(同33.2%増)が急伸して前月の同6.7%増から上昇した。また鉱物性燃料は同50.3%増(前月:同11.1%増)と、原油(同46.7%増)と石油製品(同64.3%増)を中心に上昇した。このほか、製造品(同9.3%増)や化学製品(同13.1%増)、食品(同7.7%増)など幅広い品目が前月から上昇した。
輸出を品目別に見ると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同21.4%増と、主力の電気・電子製品(同22.8%増)が一段と増加して前月の同4.4%増から上昇した(図表6)。また動植物性油脂も同18.3%増と、パーム油(同16.9%増)が好調だったほか、前月に下振れたパーム核油(同33.2%増)が急伸して前月の同6.7%増から上昇した。また鉱物性燃料は同50.3%増(前月:同11.1%増)と、原油(同46.7%増)と石油製品(同64.3%増)を中心に上昇した。このほか、製造品(同9.3%増)や化学製品(同13.1%増)、食品(同7.7%増)など幅広い品目が前月から上昇した。
インドネシアの17年5月の輸出額は前年同月比24.1%増と、前月の同13.6%増から上昇した。輸出は一次産品の価格上昇によって16年初から緩やかに持ち直し、年後半には数量ベースでも増加に転じて一段と上昇、伸び率は7ヵ月連続の二桁増を記録している。一方、輸入額も前年同月比24.0%増と、前月の同10.5%増から上昇した。結果、貿易収支は4.7億ドルの黒字と、前月から8.6億ドル黒字が縮小した(図表7)。
輸出を品目別に見ると、まず石油ガスが同32.3%増と、前月の同16.2%増から再び上昇して3カ月連続の二桁増となった(図表8)。非石油ガスについては、輸出全体の7割を占める製造品は同18.6%増(前月:同4.0%増)となり、前月に減少していた機械類(同43.2%増)と電気機器(13.9%増)がそれぞれ急上昇した。また農産品も同42.4%増と、前月の同32.9%増から上昇した。一方、鉱業品は同59.1%増と、鉱石・スラグ・灰(同51.3%増)を中心に大きく高水準を維持したものの、前月の同75.4%増から低下した。
輸出を品目別に見ると、まず石油ガスが同32.3%増と、前月の同16.2%増から再び上昇して3カ月連続の二桁増となった(図表8)。非石油ガスについては、輸出全体の7割を占める製造品は同18.6%増(前月:同4.0%増)となり、前月に減少していた機械類(同43.2%増)と電気機器(13.9%増)がそれぞれ急上昇した。また農産品も同42.4%増と、前月の同32.9%増から上昇した。一方、鉱業品は同59.1%増と、鉱石・スラグ・灰(同51.3%増)を中心に大きく高水準を維持したものの、前月の同75.4%増から低下した。
ベトナムの17年5月の輸出額は前年同月比25.0%増と、前月の同21.8%増から上昇し、4ヵ月連続の二桁増を記録した。輸出の伸び率は16年前半まで伸び悩んでいたが、年後半から主力の電気・電子製品を中心に勢いを取り戻しており、足元でも政府目標(17年は+6~7%)を上回る伸びが続いている。一方、輸入額も前年同月比26.8%増(前月:同22.8%増)と一段と上昇した結果、貿易収支は前月から7.1億ドル減少して5.3億ドルの赤字となった(図表9)。
輸出を品目別に見ると、輸出全体の約2割を占める電話・部品が同39.8%増(前月:同43.0%増)と、2カ月連続で非常に高い伸び率を記録した(図表10)。これはサムスン電子の新型スマホの発売開始の影響であり、当面好調が続きそうだ。またコンピュータ・電子部品も同37.1%増(前月:同40.8%増)と好調が続き、12カ月連続の二桁増となった。アパレル関連では織物・衣類が同8.9%増(前月:同7.8%増)、履物が同11.0%増(前月:同14.2%増)と、それぞれ高水準を維持している。農産品ではコーヒー(同4.1%減)が落ち込んだものの、天候の改善を背景にコメ(同80.8%増)や野菜(同74.8%増)、ゴム(同43.8%増)など総じて好調である。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同28.0%増(前月:同27.2%増)と高い伸びを続いたほか、地場企業も同18.3%増(前月:同9.7%増)と大きく上昇した。
輸出を品目別に見ると、輸出全体の約2割を占める電話・部品が同39.8%増(前月:同43.0%増)と、2カ月連続で非常に高い伸び率を記録した(図表10)。これはサムスン電子の新型スマホの発売開始の影響であり、当面好調が続きそうだ。またコンピュータ・電子部品も同37.1%増(前月:同40.8%増)と好調が続き、12カ月連続の二桁増となった。アパレル関連では織物・衣類が同8.9%増(前月:同7.8%増)、履物が同11.0%増(前月:同14.2%増)と、それぞれ高水準を維持している。農産品ではコーヒー(同4.1%減)が落ち込んだものの、天候の改善を背景にコメ(同80.8%増)や野菜(同74.8%増)、ゴム(同43.8%増)など総じて好調である。
輸出を資本別に見ると、全体の7割を占める外資系企業が同28.0%増(前月:同27.2%増)と高い伸びを続いたほか、地場企業も同18.3%増(前月:同9.7%増)と大きく上昇した。
(2017年07月11日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
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