- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 音楽が繋ぐ日本とインドネシア-「心の友」から「JKT48」へ-
コラム
2017年02月21日

文字サイズ
- 小
- 中
- 大
インドネシアは日本企業の投資先としての伝統国であるが、特に、近年は、アセアン(東南アジア諸国連合)において最大の人口を有し中間層が拡大する有望市場としての魅力も増しており、サービス企業や中堅中小企業の進出も加速している。
その国で、非常に多くの人々に親しまれ口ずさまれている日本の曲がある。
それは、五輪真弓さんの「心の友」(1982年発表のアルバム「潮騒」の中の収録曲)であり、同国の第二の国歌などというややオーバーな表現で報じられることもある。
筆者は、20年以上前からインドネシアを20回以上訪問しているが、「心の友」(Kokoronotomo)の現地での浸透ぶりを知ったのはタイミングとしては大分経った後であり、初めてその事を知った時に恥ずかしい思いをした記憶がある。インドネシアの人々からすれば、多くの人が、母国語はもちろん、日本語でも諳(そら)んじて歌える有名な歌を、何故、日本人である筆者が知らないのか不思議そうであった。日本ではアルバムの中の一曲という事情でほとんど知られていないため、現地の日本人駐在員や在留邦人の方々に聞いても同様の経験が多いようだ。若いインドネシア人の中には元々インドネシアの曲だと思っていたと言う人もいた。
「あなたから苦しみを奪えたその時 私にも生きてゆく勇気が湧いてくる」とのフレーズで始まるその曲を聞くと、歌詞とメロディが親しみやすく心が癒される。かつて2004年12月のスマトラ島沖大地震からの復興の際に、かの曲が、多くの被災者の支えになったというエピソードも理解できる。出張で訪問したジャカルタのホテルの部屋で、その曲を聞くと、異国で昂った気持ちが穏やかになり、インドネシアをより身近に感じる心持ちにもなる。
音楽の力は偉大と言われるが、「心の友」は、身近なアセアンの国におけるその嬉しい典型例と言えるだろう。
今、インドネシアでは、「AKB48」の現地の姉妹ユニットである「JKT48」が、若者に人気と聞く。
両国の訪問者数は、2015年の年間74万人(日本→インドネシア約53万人、インドネシア→日本約21万人)が、年々増加する傾向にあり、両国の一層の交流が進んでいる。より緊密化する二国間関係の中で、今後は、「JKT48」が、音楽で両国を繋ぐ存在になるのだろうか?
その国で、非常に多くの人々に親しまれ口ずさまれている日本の曲がある。
それは、五輪真弓さんの「心の友」(1982年発表のアルバム「潮騒」の中の収録曲)であり、同国の第二の国歌などというややオーバーな表現で報じられることもある。
筆者は、20年以上前からインドネシアを20回以上訪問しているが、「心の友」(Kokoronotomo)の現地での浸透ぶりを知ったのはタイミングとしては大分経った後であり、初めてその事を知った時に恥ずかしい思いをした記憶がある。インドネシアの人々からすれば、多くの人が、母国語はもちろん、日本語でも諳(そら)んじて歌える有名な歌を、何故、日本人である筆者が知らないのか不思議そうであった。日本ではアルバムの中の一曲という事情でほとんど知られていないため、現地の日本人駐在員や在留邦人の方々に聞いても同様の経験が多いようだ。若いインドネシア人の中には元々インドネシアの曲だと思っていたと言う人もいた。
「あなたから苦しみを奪えたその時 私にも生きてゆく勇気が湧いてくる」とのフレーズで始まるその曲を聞くと、歌詞とメロディが親しみやすく心が癒される。かつて2004年12月のスマトラ島沖大地震からの復興の際に、かの曲が、多くの被災者の支えになったというエピソードも理解できる。出張で訪問したジャカルタのホテルの部屋で、その曲を聞くと、異国で昂った気持ちが穏やかになり、インドネシアをより身近に感じる心持ちにもなる。
音楽の力は偉大と言われるが、「心の友」は、身近なアセアンの国におけるその嬉しい典型例と言えるだろう。
今、インドネシアでは、「AKB48」の現地の姉妹ユニットである「JKT48」が、若者に人気と聞く。
両国の訪問者数は、2015年の年間74万人(日本→インドネシア約53万人、インドネシア→日本約21万人)が、年々増加する傾向にあり、両国の一層の交流が進んでいる。より緊密化する二国間関係の中で、今後は、「JKT48」が、音楽で両国を繋ぐ存在になるのだろうか?
(2017年02月21日「研究員の眼」)
平賀 富一
平賀 富一のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2018/01/30 | 若者の「内向き志向」は本当か?-潜在する動機・意欲を引き出す早期教育の必要性- | 平賀 富一 | 研究員の眼 |
2017/12/28 | 日本経済・社会を活性化する起業の促進のために最も必要なこと | 平賀 富一 | 研究員の眼 |
2017/11/30 | 世界のビジネスモデルを変革する起業家の出現を期待! | 平賀 富一 | 研究員の眼 |
2017/11/21 | CLM諸国の保険市場動向-最近の各市場における変化を中心として- | 平賀 富一 | 保険・年金フォーカス |
新着記事
-
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く -
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【音楽が繋ぐ日本とインドネシア-「心の友」から「JKT48」へ-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
音楽が繋ぐ日本とインドネシア-「心の友」から「JKT48」へ-のレポート Topへ