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- 生命保険の普及状況-世帯加入率、浸透率、人口に対する保有契約の割合
2016年10月25日
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3――生命保険浸透率
生命保険浸透率については、スイス・リーが毎年、世界各国の生保・損保の保険料収入などのドル換算データを公表しているので、国際的な比較が可能である。
その2015年データでは、生保収入保険料は第1位が米国で5525億ドル、わが国は第2位で3438億ドル、第3位は英国で2145億ドル、第4位は中国で2108億ドル、第5位はフランスで1501億ドルなどとなっている。
一方、GDPに対する生保収入保険料の割合である生命保険浸透率で見ると、第1位は台湾で15.7%、第2位は香港で13.3%、第3位は南アフリカで12.0%、第4位はフィンランドで9.7%、わが国は第5位で8.3%である。
英国は7.5%で第6位となっているが、生保収入保険料第1位の米国は3.1%、第4位の中国は2.0%、第5位のフランスは6.2%で、いずれも生命保険浸透率では10位以内には入らない4。
わが国は世界的にも、生保収入保険料が大きく、生命保険浸透率も高い国となっている。
3 安井義浩「2015 年度生保決算の概要 高・マイナス金利下で減益、今後さらに難しい状況へ」、『基礎研レポート』、ニッセイ基礎研究所ホームページ、2016年7月、http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=53344?site=nli。
4 「sigma No3/2016 World insurance in 2015:steady grows amid regional disparities」、Swiss Reホームページ、2016年6月。
その2015年データでは、生保収入保険料は第1位が米国で5525億ドル、わが国は第2位で3438億ドル、第3位は英国で2145億ドル、第4位は中国で2108億ドル、第5位はフランスで1501億ドルなどとなっている。
一方、GDPに対する生保収入保険料の割合である生命保険浸透率で見ると、第1位は台湾で15.7%、第2位は香港で13.3%、第3位は南アフリカで12.0%、第4位はフィンランドで9.7%、わが国は第5位で8.3%である。
英国は7.5%で第6位となっているが、生保収入保険料第1位の米国は3.1%、第4位の中国は2.0%、第5位のフランスは6.2%で、いずれも生命保険浸透率では10位以内には入らない4。
わが国は世界的にも、生保収入保険料が大きく、生命保険浸透率も高い国となっている。
3 安井義浩「2015 年度生保決算の概要 高・マイナス金利下で減益、今後さらに難しい状況へ」、『基礎研レポート』、ニッセイ基礎研究所ホームページ、2016年7月、http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=53344?site=nli。
4 「sigma No3/2016 World insurance in 2015:steady grows amid regional disparities」、Swiss Reホームページ、2016年6月。
4――人口に対する保有契約の割合
5――おわりに
2014年度末の民保個人保険保有契約(かんぽ生命を含む)は1億5173万件、個人年金保険保有契約は2050万件に及ぶ5。
同時期のわが国の人口は1億2708万人であり、個人保険は人口に対する保有契約の割合は119%と100%を超えるに至っており、個人年金保険は16.1%となっている(国民1人当たり1.2件の生命保険に加入しているということもできる)。
また、前述のとおり、直近の生命保険・個人年金保険加入率は82.4%であるので、未加入者を除く実際の加入者は1億471万人程度と推定され、加入者1人当たり1.45件の生命保険に加入していることとなる。
こうした加入率の高さや、前述の収入保険料、生命保険浸透率の点からも、わが国は生命保険への指向が高い国といえよう。
死亡保険の普及率の高さの理由については、2008年当時、「中流化の流れ」、「家族制度」、「女性営業職員を主たるチャネルとしてきたわが国独自の生命保険販売体制」と指摘されている6。
一方、個人保険保有契約(1億5173万件)の内訳を見ると、第1位は医療保険(3195万件、21.1%)、第2位は終身保険(3151万件、20.8%)、第3位はがん保険(2198万件、14.5%)、第4位は定期保険(1845万件、12.2%)となっている。
新契約(1505万件)で見ると、第1位は医療保険(382万件、25.3%)、第2位は終身保険(348万件、23.1%)、第3位は定期保険(225万件、14.9%)第4位はがん保険(177万件、11.8%)である。
直近の傾向としては、医療保障やがん保障に加え、終身や一定期間の死亡保障などもバランスよく確保していくといった、多様な保障ニーズがうかがえよう。
5 「生命保険の動向(2015年版)」、生命保険協会、2015年10月、「インシュアランス生命保険統計号 平成27年度版」、2015年11月。
6 松岡博司「生命保険好きの国」、『研究員の眼』ニッセイ基礎研究所、2008年3月、http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=37626?site=nli
同時期のわが国の人口は1億2708万人であり、個人保険は人口に対する保有契約の割合は119%と100%を超えるに至っており、個人年金保険は16.1%となっている(国民1人当たり1.2件の生命保険に加入しているということもできる)。
また、前述のとおり、直近の生命保険・個人年金保険加入率は82.4%であるので、未加入者を除く実際の加入者は1億471万人程度と推定され、加入者1人当たり1.45件の生命保険に加入していることとなる。
こうした加入率の高さや、前述の収入保険料、生命保険浸透率の点からも、わが国は生命保険への指向が高い国といえよう。
死亡保険の普及率の高さの理由については、2008年当時、「中流化の流れ」、「家族制度」、「女性営業職員を主たるチャネルとしてきたわが国独自の生命保険販売体制」と指摘されている6。
一方、個人保険保有契約(1億5173万件)の内訳を見ると、第1位は医療保険(3195万件、21.1%)、第2位は終身保険(3151万件、20.8%)、第3位はがん保険(2198万件、14.5%)、第4位は定期保険(1845万件、12.2%)となっている。
新契約(1505万件)で見ると、第1位は医療保険(382万件、25.3%)、第2位は終身保険(348万件、23.1%)、第3位は定期保険(225万件、14.9%)第4位はがん保険(177万件、11.8%)である。
直近の傾向としては、医療保障やがん保障に加え、終身や一定期間の死亡保障などもバランスよく確保していくといった、多様な保障ニーズがうかがえよう。
5 「生命保険の動向(2015年版)」、生命保険協会、2015年10月、「インシュアランス生命保険統計号 平成27年度版」、2015年11月。
6 松岡博司「生命保険好きの国」、『研究員の眼』ニッセイ基礎研究所、2008年3月、http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=37626?site=nli
(2016年10月25日「保険・年金フォーカス」)
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小林 雅史
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