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- 日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は1ポイント上昇の7を予想
2016年09月16日
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■要旨
- 9月調査短観では、注目度の高い大企業製造業でわずかながら5期ぶりの景況感改善が示されると予想する。一方、大企業非製造業では3四半期連続の悪化が見込まれる。前回調査以降の経済指標は、個人消費に底堅さが見られるものの、総じて力強さに欠ける。また、何より円高が長引いており、輸出やインバウンドの逆風になっている。大企業製造業では長引く円高が逆風になるため大幅な反発は見込めないものの、軽自動車の生産再開や熊本地震からの挽回生産が進んだ自動車産業が牽引役となるほか、英国のEU離脱決定に伴う緊迫感の一服なども支援材料となることで、景況感の小幅な改善が予想される。非製造業では、公共事業増加が下支えになるものの、成長エンジンとなってきたインバウンド消費の減速に加えて、8月以降の天候不順による悪影響も受けていることから、景況感の悪化が予想される。中小企業でも、大企業同様、非製造業の景況感悪化が続くと見込まれる。
- 先行きの景況感については、大企業では小幅ながら持ち直しが予想される。世界経済の先行き不透明感は強いものの、政府経済対策への期待が追い風となる。中小企業については、先行きへの警戒感が先立ちやすく、今回も景況感の悪化が示されそうだ。
- 16年度の設備投資計画は1.9%増と前回調査時点の0.4%増から上方修正されると予想。例年、9 月調査にかけては、計画が固まってくることに伴って上方修正されるクセが強く、今回も上方修正されるだろう。ただし、円高によって輸出環境が厳しさを増し、企業収益も悪化しているため、例年と比べて上方修正の度合いが抑制的になると見ている。
- 今回の注目点は設備投資計画と収益計画の修正状況だ。とりわけ企業の設備投資スタンスに慎重姿勢がみられるかどうかという点は、日本経済の今後を占ううえで重要性が高い。
(2016年09月16日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
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