- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- どうなる?日銀「総括的な検証」~金融市場の動き(9月号)
2016年09月02日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
(ドル円レート)
8月の動き 月初102円台前半からスタートし、月末は103円付近に。
月初、日銀追加緩和への失望を引きずる中で原油安に伴うリスク回避の円買いもあって、3日に101円台前半に。好調な米雇用統計を受けて、8日に102円台を回復したが、利上げ観測低迷でドルの上値は重く、10日には再び101円台に、さらに16日には100円台まで円高が進行。FOMC議事要旨を受けて利上げ観測がさらに後退し、18日には100円を割り込んだ。その後は、日本当局の口先介入やFRB高官の利上げに前向きな発言で100円台を回復、しばらく維持。月終盤にはジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演やその後のフィッシャー副議長発言を受けて米早期利上げ観測が台頭し、29日には102円台を回復。月末には103円付近まで上昇した。
当面の予想
今月に入って米利上げがさらに意識され、足元は103円台後半に上昇。当面のドル円のテーマである「米9月利上げ」の有無を占ううえで、本日夜の8月雇用統計がその試金石となる。好調な結果なら利上げ観測からドル高圧力が高まるが、同時に副作用(米株下落、新興国株・通貨下落)からリスク回避の円買いも入ることで、ドル円の上値が制約される可能性も。低調な結果なら素直に円高が進み、100円強に戻ると見ている。その後は21日の日銀決定会合とFOMCが焦点に。日銀は緩和を強化すると見ているが、直後にFRBが利上げ見送ることで、ドル安圧力が高まりそう。引き続き100-105円のレンジでの推移と見るが、21日~22日にかけて相場は荒れるだろう。
8月の動き 月初102円台前半からスタートし、月末は103円付近に。
月初、日銀追加緩和への失望を引きずる中で原油安に伴うリスク回避の円買いもあって、3日に101円台前半に。好調な米雇用統計を受けて、8日に102円台を回復したが、利上げ観測低迷でドルの上値は重く、10日には再び101円台に、さらに16日には100円台まで円高が進行。FOMC議事要旨を受けて利上げ観測がさらに後退し、18日には100円を割り込んだ。その後は、日本当局の口先介入やFRB高官の利上げに前向きな発言で100円台を回復、しばらく維持。月終盤にはジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演やその後のフィッシャー副議長発言を受けて米早期利上げ観測が台頭し、29日には102円台を回復。月末には103円付近まで上昇した。
当面の予想
今月に入って米利上げがさらに意識され、足元は103円台後半に上昇。当面のドル円のテーマである「米9月利上げ」の有無を占ううえで、本日夜の8月雇用統計がその試金石となる。好調な結果なら利上げ観測からドル高圧力が高まるが、同時に副作用(米株下落、新興国株・通貨下落)からリスク回避の円買いも入ることで、ドル円の上値が制約される可能性も。低調な結果なら素直に円高が進み、100円強に戻ると見ている。その後は21日の日銀決定会合とFOMCが焦点に。日銀は緩和を強化すると見ているが、直後にFRBが利上げ見送ることで、ドル安圧力が高まりそう。引き続き100-105円のレンジでの推移と見るが、21日~22日にかけて相場は荒れるだろう。
(ユーロドルレート)
8月の動き 月初1.11ドル台後半からスタートし、月末も1.11ドル台後半に。
月初、原油安等に伴うリスク回避のユーロ買いで、3日に1.12ドルに上昇したが、4日にはリスク回避の一服で1.11ドル台に戻る。さらに好調な米雇用統計を受けた8日には1.10ドル台に下落。その後は米利上げ観測の低迷から10に1.11ドル台に上昇し、さらにややハト派的なFOMC議事要旨を受けた16日には1.13ドルまでユーロが上昇。以降、しばらく1.13ドル付近での推移が続いたが、月終盤にはジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演やその後のフィッシャー副議長発言を受けてドル高圧力が高まり、1.11ドル台へ。月末も1.11ドル台後半で終了した。
当面の予想
足元も1.11ドル台後半で推移している。ドル円同様、目先は本日夜の米雇用統計次第だが、ECBは来週8日の理事会において緩和の強化を打出すか、緩和に前向きなスタンスを強調すると予想され、ユーロ安圧力が高まると見ている。その後は9月FOMCが焦点となるが、利上げが見送られることでドル安が進む可能性が高いと見ている。結果、「行って来い」の展開になりそうだ。
8月の動き 月初1.11ドル台後半からスタートし、月末も1.11ドル台後半に。
月初、原油安等に伴うリスク回避のユーロ買いで、3日に1.12ドルに上昇したが、4日にはリスク回避の一服で1.11ドル台に戻る。さらに好調な米雇用統計を受けた8日には1.10ドル台に下落。その後は米利上げ観測の低迷から10に1.11ドル台に上昇し、さらにややハト派的なFOMC議事要旨を受けた16日には1.13ドルまでユーロが上昇。以降、しばらく1.13ドル付近での推移が続いたが、月終盤にはジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演やその後のフィッシャー副議長発言を受けてドル高圧力が高まり、1.11ドル台へ。月末も1.11ドル台後半で終了した。
当面の予想
足元も1.11ドル台後半で推移している。ドル円同様、目先は本日夜の米雇用統計次第だが、ECBは来週8日の理事会において緩和の強化を打出すか、緩和に前向きなスタンスを強調すると予想され、ユーロ安圧力が高まると見ている。その後は9月FOMCが焦点となるが、利上げが見送られることでドル安が進む可能性が高いと見ている。結果、「行って来い」の展開になりそうだ。
(2016年09月02日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/07/23 | 参院選・日米関税合意を受けて円相場はどう動く?~マーケット・カルテ8月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/07/09 | 貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/07/08 | ドル円の膠着はいつまで?~ドル安でも円安是正は足踏み | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/07/01 | 日銀短観(6月調査)~トランプ関税の悪影響は今のところ限定的だが、早期の利上げには直結せず | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年07月31日
2024年度生命保険決算の概要-利差益増により基礎利益は増加、国内債券は含み損だがほぼ問題なし -
2025年07月31日
米FOMC(25年7月)-市場予想通り、5会合連続で政策金利を据え置き。理事2名が利下げを主張し反対票 -
2025年07月31日
2025年4-6月期の実質GDP~前期比0.2%(年率1.0%)を予測~ -
2025年07月31日
学びたいを諦めさせない-高等教育の修学支援新制度の意義と今後の展望 -
2025年07月31日
米GDP(25年4-6月期)-前期比年率+3.0%と外需押上げからプラス転換、市場予想(+2.6%)も上回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【どうなる?日銀「総括的な検証」~金融市場の動き(9月号)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
どうなる?日銀「総括的な検証」~金融市場の動き(9月号)のレポート Topへ