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急増する訪日外国人のホテル需要と消費支出-2014年の訪日外国人旅行者数は前年比+29%増、外国人延べ宿泊者数は同+34%増、消費額は同+43%増で2兆円を突破

竹内 一雅
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訪日外国人旅行者数の急増に伴い、ホテルや消費における外国人の存在感が高まっている。
2014年の訪日外国人旅行者数は前年比+29.4%の増加で、国内ホテルの外国人旅行者の延べ宿泊者数は前年比+33.8%、訪日外国人の消費額は前年比+43.1%の増加で2兆278億円に達した。最近、ホテルの稼働率が極めて高い率で推移しているのは、延べ宿泊者数では全体の1割に満たない外国人の増加が、日本人宿泊者数の減少を補ってきたためである。
今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、訪日外国人旅行者数はさらなる増加が見込まれている。本稿では、観光庁の「宿泊旅行統計」「訪日外国人消費動向調査」などを用いて、最近の外国人の国内宿泊動向および消費動向の把握を試みる。
■目次
1――はじめに
2――急増する訪日外国人旅行者数
1|訪日外国人旅行者数の急増
2|国籍別の訪日外国人旅行者数
3――外国人宿泊者数の急増が日本人宿泊者数の減少分を補填
1|ホテル稼働率の上昇と外国人宿泊者数の増加
2|外国人宿泊者の宿泊施設タイプ
3|国籍別の宿泊者数の推移
4|都道府県別の外国人宿泊者数
5|都道府県別の宿泊施設タイプ別外国人宿泊者数・構成比
6|主要国籍別・道府県別にみた外国人宿泊者数
4――訪日外国人の旅行消費額の急拡大
1|国籍別旅行消費額の推移
2|消費項目別の旅行消費額
3|来日目的別の旅行中消費額
4|訪日外国人の百貨店売上高増加率
5――ホテル投資・ホテル数の推移および当面のホテル計画
1|ホテル投資件数の増加とホテルストックの横ばい
2|ホテル着工件数、国内ホテル計画
6――おわりに
※本稿は2015年5月21日「基礎研レポート」を加筆・修正したものである。
1――はじめに
2014年の訪日外国人旅行者数は前年比+29.4%の増加で、国内ホテルの外国人旅行者の延べ宿泊者数は前年比+33.8%、訪日外国人の消費額は前年比+43.1%の増加で2兆278億円に達した。最近、ホテルの稼働率が極めて高い率で推移しているのは、延べ宿泊者数では全体の1割に満たない外国人の増加が、日本人宿泊者数の減少を補ってきたためである。
今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、訪日外国人旅行者数はさらなる増加が見込まれている。本稿では、観光庁の「宿泊旅行統計」「訪日外国人消費動向調査」などを用いて、最近の外国人の国内宿泊動向および消費動向の把握を試みる12。
1 過去の状況については、竹内一雅「日本のホテル市場-統計的把握と需要の将来予測」不動産投資レポート2010年4月27日、ニッセイ基礎研究所、竹内一雅「中国人宿泊者数の動向-ビザ発行要件緩和で高まる宿泊需要」不動産投資レポート2010年7月1日、ニッセイ基礎研究所、竹内一雅「外国人の国内宿泊動向-2013年の年間外国人延べ宿泊者数3千万人超へ」基礎研レポート2014年1月20日、ニッセイ基礎研究所などを参照のこと。本稿は2014年1月のレポート「外国人の国内宿泊動向」の2015年版という位置づけで執筆している。
2 本稿の宿泊需要ではホテルだけでなく旅館も対象とする。
2――急増する訪日外国人旅行者数
2014年の訪日外国人旅行者数は1,341万人に達した(図表-1)。2012年以降の前年比増加率は+34.4%(2012年)、+24.0%(2013年)、+29.4%(2014年)と大幅な増加が続いている。2015年に入っても増加の勢いは止まらず、1~3月の訪日外国人旅行者数は413万人で前年比+43.7%の増加だった(図表-1右図)。
2015年3月現在、過去12ヶ月間の累計は1,467万人(前年度比+33.6%)に達しているため、2015年中の1,500万人の達成は確実である。なお、政府は2020年に2,000万人、2030年に3,000万人の訪日外国人旅行者数の達成を目標としている3。
3 「「日本再興戦略」改訂2014-未来への挑戦-」(2014.6.24)などを参照のこと。
2014年の訪日外国人旅行者数1,341万人のうち、国籍・地域別に最も多かったのが台湾の283万人(前年比+28.0%増)で、韓国(276万人、同+12.2%増)、中国(241万人、+83.3%増)が続き、この3カ国で全体の6割を占めている(図表-4、5)。なお、香港(93万人+24.2%増)、アメリカ(89万人、+11.6%増)、タイ(66万人、+45.0%増)を含めると、上位6カ国で訪日外国人旅行者数全体の78%を占める。
2014年は中国からの旅行者数の伸びが2013年の減少の反動もあり+83.3%増と顕著だったが、他にもタイ(前年比+45.0%増)、マレーシア(同+41.3%増)、フィリピン(同+70.0%増)、ベトナム(同+47.1%増)など、アジア諸国を中心に訪日客数は大幅な増加が続いている。
(2016年07月12日「ニッセイ基礎研所報」)
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