- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 年金資産運用 >
- 年金運用者が迎える困難な局面
2016年03月03日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
2016年は年明けから世界的に株価が低下し、その後、日本銀行がマイナス金利付き量的・質的金融緩和を採用したことで、イールドカーブは大きく水準を押下げられた。安定的な収益源と期待される国内債券の利回り低下は必至であり、年金運用者は当面のポートフォリオ運営を改めて真剣に考えなければならない。
日銀のデフレ脱却に向けた強い意思を斟酌すると、年度後半の金利上昇を期待することは難しい。また、米国経済も昨年12月の利上げ後は強さを欠く状況になっている。債券への投資から得られる利回りは、低水準に留まることになろう。一方、株価については、グローバルに変動性の高い状況が続いている。月末・四半期末といったピンポイントの水準に一喜一憂することになりそうだ。
年金運用者が安定的に利回りを獲得するには、債券領域では、デュレーションの長期化やクレジット投資への注力が可能である。しかし、得られる超過リターンは薄い。株式領域では、先進国よりも新興国の見通しが立てづらく、投資対象の拡大は困難である。玉石混淆に投資するインデックス運用ではなく、選択効果を狙うアクティブ運用に機会があるかもしれない。分散投資を意識しつつ、様々なオルタナティブ投資も考慮に入れ、下方リスクを抑えた形でポートフォリオを構築することが求められている。
日銀のデフレ脱却に向けた強い意思を斟酌すると、年度後半の金利上昇を期待することは難しい。また、米国経済も昨年12月の利上げ後は強さを欠く状況になっている。債券への投資から得られる利回りは、低水準に留まることになろう。一方、株価については、グローバルに変動性の高い状況が続いている。月末・四半期末といったピンポイントの水準に一喜一憂することになりそうだ。
年金運用者が安定的に利回りを獲得するには、債券領域では、デュレーションの長期化やクレジット投資への注力が可能である。しかし、得られる超過リターンは薄い。株式領域では、先進国よりも新興国の見通しが立てづらく、投資対象の拡大は困難である。玉石混淆に投資するインデックス運用ではなく、選択効果を狙うアクティブ運用に機会があるかもしれない。分散投資を意識しつつ、様々なオルタナティブ投資も考慮に入れ、下方リスクを抑えた形でポートフォリオを構築することが求められている。
(2016年03月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年07月04日
金融安定性に関するレポート(欧州)-EIOPAの定期報告書の公表 -
2025年07月04日
「持ち家か、賃貸か」。法的視点から「住まい」を考える(1)~持ち家を購入することは、「所有権」を得ること -
2025年07月04日
米雇用統計(25年6月)-非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったほか、失業率が上昇予想に反して低下 -
2025年07月03日
ユーロ圏失業率(2025年5月)-失業率はやや上昇したが、依然低位安定 -
2025年07月03日
IAIGsの指定の公表に関する最近の状況(14)-19の国・地域からの60社全てのIAIGsのグループ名が公開された-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【年金運用者が迎える困難な局面】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
年金運用者が迎える困難な局面のレポート Topへ