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今夏以降、世界の株式市場は不安定な状況にある。原因は米国の利上げ観測や中国経済の成長鈍化にあるとされている。しかし、これらは今年前半から既に分かっていたことである。08年のリーマンショック以降の金融緩和により、内外株式市場の活況が続く中、裏では投資家の不安が蓄積されていたと見るべきであろう。
最近の研究は、長期的平均以上・以下のリターンが1~4年ごとに現れる、市場の中心回帰性を改めて指摘している。そうだとすると、不安定な状況がまだ1、2年続くことになる。そうした場合、昨年末から今年にかけ株式への配分を増やした公的年金に対し、やはり株式投資は危険だという批判が強まることも考えられる。しかし、市場が大きく変動した時にこそ、リバランスによって資産配分を戻すことが、長期的なリターン改善につながるというのが、100年に一度とされた、リーマンショックの教訓である。
積立水準の高い基金など、企業年金の中にはリスクを落とす動きもある。しかし、市場の転換点を事前に捉えるのはほぼ不可能である。今後、リスクを減らせという政治的圧力が高まったとしても、公的年金はまず、リバランスに徹するべきである。制度が永続し、四半期決算を投資家に説明する必要のない公的年金こそ長期投資家の条件を備えているのではないか。
(2015年11月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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