- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- >
- 運用リスク管理 >
- 公的年金はまず愚直なリバランスを
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
今夏以降、世界の株式市場は不安定な状況にある。原因は米国の利上げ観測や中国経済の成長鈍化にあるとされている。しかし、これらは今年前半から既に分かっていたことである。08年のリーマンショック以降の金融緩和により、内外株式市場の活況が続く中、裏では投資家の不安が蓄積されていたと見るべきであろう。
最近の研究は、長期的平均以上・以下のリターンが1~4年ごとに現れる、市場の中心回帰性を改めて指摘している。そうだとすると、不安定な状況がまだ1、2年続くことになる。そうした場合、昨年末から今年にかけ株式への配分を増やした公的年金に対し、やはり株式投資は危険だという批判が強まることも考えられる。しかし、市場が大きく変動した時にこそ、リバランスによって資産配分を戻すことが、長期的なリターン改善につながるというのが、100年に一度とされた、リーマンショックの教訓である。
積立水準の高い基金など、企業年金の中にはリスクを落とす動きもある。しかし、市場の転換点を事前に捉えるのはほぼ不可能である。今後、リスクを減らせという政治的圧力が高まったとしても、公的年金はまず、リバランスに徹するべきである。制度が永続し、四半期決算を投資家に説明する必要のない公的年金こそ長期投資家の条件を備えているのではないか。
(2015年11月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【公的年金はまず愚直なリバランスを】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
公的年金はまず愚直なリバランスをのレポート Topへ