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膠着の今、ドル円レートを再点検~金融市場の動き(4月号)
経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志
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- (為替) ドル円は、3月上旬に一時122円を突破した後に下落し、膠着状態が続いている。一番の原因は利上げに慎重なスタンスが目立った3月FOMCによって、米早期利上げ観測が後退したことだ。さらに、米経済指標の弱含みもこれを正当化した。しかし、だからと言って急激に円高が進んでいるわけではない。それは、日米金融政策の方向性の違い自体は従来と変わっていないためだ。また、国内投資家による対外証券投資も円高抑制に働いている。つまり、現在はドル高抑制要因と円高抑制要因の力比べでドル円が膠着している状況にある。今後、ドル円が再び上昇するための最大のカギは米利上げ観測の復活にあり、米経済指標の行方が焦点となる。最近の弱い米指標は、寒波と港湾ストによる一時的な悪影響を受けているとみられるため、4月分以降の指標には上振れ余地があり、利上げ観測が再び高まりやすくなると見ている。また、日銀の追加緩和観測が高まるかもカギとなる。最近の日銀はインフレ期待など「物価の基調」を重視しているが、昨日公表された企業・家計のインフレ期待を見ると、全体的に底堅いものの、一部に下振れの兆しとも取れる部分が存在する。今後物価はマイナスに転じる可能性が高いため、インフレ期待が下振れる可能性がある。
- (日銀金融政策) 日銀は3月の決定会合で現行の金融政策を維持した。会見では「物価の基調」改善を理由に追加緩和には慎重な姿勢を示した。物価上昇率のマイナス化の可能性が高まり、過度の追加緩和観測をけん制する狙いがあったとみられる。
- (市場の動きと予想) 3月は円安ドル高、ユーロドルは下落、長期金利は上昇した。当面の為替は米雇用統計次第だが、その後は米経済指標の回復に伴い緩やかにドルが上昇すると予想。長期金利は、0.3~0.4%を中心とする一進一退が続くと見ている。
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03-3512-1870
(2015年04月03日「Weekly エコノミスト・レター」)
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