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- 【韓国7-9月期GDP】景気対策で内需は回復するも、輸出は低迷
2014年10月29日
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- 韓国の2014年7-9月期の実質GDP成長率は前期比+0.9%と、セウォル号沈没事故の影響で減速した4-6月期(同+0.5%)から回復し、1-3月期(同+0.9%)の水準まで持ち直した。
- 景気回復の牽引役は、これまで伸び悩んでいた内需であった。特に、韓国政府と中央銀行の景気刺激策によって政府消費と住宅投資が改善した影響が大きい。一連の景気対策は(1)拡張的な財政政策、(2)企業所得還流税制、(3)不動産市場活性化のための規制緩和、(4)緩和的な通貨政策などで構成されるが、これらの対策は引き続き、内需を刺激し、景気の牽引役になると見ている。
- ただし、景気対策への過度な期待は禁物だ。家計所得が増加しても、膨張した家計債務が消費を抑制するほか、金融緩和策でウォン安誘導の利下げに踏み切ったとしても、経常黒字や購買力平価の水準から見ればウォン高は続きそうだ。
- 現在は立て続けに打ち出される景気対策に注目が集っているが、本来的には構造改革が不可欠である。ベンチャー企業の育成や新産業の創出、5大サービス産業(医療、観光、金融、ソフトウェア、教育)の育成ができれば、内需が拡大し、経済構造もバランスの取れたものになるだろう。景気対策による浮揚効果が持続する間に、構造改革を進めておきたいところだ。
(2014年10月29日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
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