- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 8月マネー統計~貸出の伸び悩み感がやや強まる
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・貸出動向: 伸び悩み感がやや強まる
・マネタリーベース: まだ問題なし
・マネーストック: リスク選好は途絶えていない
■要旨
8月の銀行貸出(平残)の伸び率は前年比2.3%と前月から横ばい推移であった。残高は2003年3月以来の高水準を更新しており、貸出の増勢自体は続いている。ただし、前月差では、ピークである13年12月の10.2兆円増に対して、8月は9.4兆円増に縮小しており、7月からもほぼ横ばいに留まるなど、貸出の伸び悩み感がやや強まっている。
8月のマネタリーベース平残は242.3兆円と、前月から▲0.8兆円減少した。減少は18ヵ月ぶりとなる。また、月末残高も7月末からの増加額がわずか0.3兆円に留まっている。ただし、8月も7月同様、国債等の発行超過が多額にのぼり、資金が吸収された影響が大きい。実際、季節調整済みのマネタリーベース平残の月間増加額は6.8兆円と、日銀の年末見通し達成ペースを上回っている。
マネーストック統計によると、市中通貨量を示す8月のM2、M3の前年比伸び率はともに縮小。縮小は7ヵ月連続となる。一方、M3に投信や外債といったリスク性資産等を含めた広義流動性の伸び率は僅かながら拡大した。リスク選好は途絶えていない。今後、マネーの伸びが本格的な最加速に至るかどうかは、貸出による信用創造活発化がカギになるだろう。
(2014年09月09日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/19 | 日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント低下の12と予想、トランプ関税の影響度に注目 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/07 | 長期金利の上昇は続くのか?~16年ぶり1.5%到達後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/02/18 | 関税と日銀利上げの思惑で揺れる円相場、次の展開は?~マーケット・カルテ3月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/02/12 | 貸出・マネタリー統計(25年1月)~定期預金の伸び率が14年半ぶりの高水準に、地銀の貸出が勢いを増す | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月19日
日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント低下の12と予想、トランプ関税の影響度に注目 -
2025年03月19日
孤独・孤立対策の推進で必要な手立ては?-自治体は既存の資源や仕組みの活用を、多様な場づくりに向けて民間の役割も重要に -
2025年03月19日
マンションと大規模修繕(6)-中古マンション購入時には修繕・管理情報の確認・理解が大切に -
2025年03月19日
貿易統計25年2月-関税引き上げ前の駆け込みもあり、貿易収支(季節調整値)が黒字に -
2025年03月19日
米住宅着工・許可件数(25年2月)-着工件数(前月比)は悪天候から回復し、前月から大幅増加、市場予想も上回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【8月マネー統計~貸出の伸び悩み感がやや強まる】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
8月マネー統計~貸出の伸び悩み感がやや強まるのレポート Topへ