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- 米国経済の見通し-果たして、賃金は上昇するのか?
2014年09月09日
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- 米国経済は1-3月期に寒波の悪影響でマイナス成長となったが、4-6月期には力強い反発を見せた。家計、企業ともにセンチメント指標が非常に高い水準に達しており、今後も3%前後の安定的な成長が期待できる。
- 住宅需要の低迷と賃金上昇率の鈍さは、引き続き米国経済の懸念材料として存在している。しかし住宅市場は住宅価格が一服するなど、需要が高まりやすい地合いであり、今後は緩やかに改善が進むと見ている。賃金についても上昇圧力は弱い。これは金融危機後の労働市場の急速な悪化に対し、賃金は「下方硬直性」のために悪化が進まず、逆に労働市場の改善する段階でも賃金に上昇圧力がかかりにくい状況にあること(いわゆる「ペントアップ賃金デフレ」)が考えられる。ただし足もとは、こうした「ペントアップ賃金デフレ」からも脱する段階にあると見ている。
- 金融政策については、10月のFOMCで新規の資産購入が停止され、量的緩和が終了する見込みである(テーパリングの終了)。すでに注目は金融引き締めに集まっており、FRBも出口戦略の準備を周到に行っている。利上げの技術的な課題はほぼ克服していると見ているが、実際の利上げは賃金上昇率が安定的に高まる2015年9月と想定している。
- 長期金利は、ECBが金融緩和を強化しているなどの影響で低い水準が続いているが、今後は、米国が金融引き締めに進むため上昇圧力が高まると見ている。
- リスク要因としては、引き続き海外経済の成長鈍化や資産価格の低迷が挙げられる。特にFRBが金融緩和から引き締めに移行する段階で金融資産の価格が不安定な動きをする可能性がある。株の下落は、資産効果による消費の押し上げ効果の剥落を通じて、実体経済にも影響を及ぼすため、注意が必要。
(2014年09月09日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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