- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【フィリピンGDP】4-6月期は前年同期比+6.4%~拡大する海外需要と復興需要で高成長は持続~
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.4-6月期は前年同期比+6.4%
フィリピンの国家統計調整委員会(NSCB)は8月28日、2014年4-6月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率は前年同期比(原系列)で6.4%の増加となり、昨年末の大型台風被害の影響で減速した前期(同+5.6%)および市場予想 (同+6.1%)を上回った。
4-6月期の海外からの純所得は前年同期比+12.7%(前期:同+15.0%)と減速したものの、国民総所得(GNI)は前年同期比+7.3%(前期:同+7.2%)と小幅に加速した。
2.好調な輸出と復興需要で6%台の高成長を維持
フィリピン経済は、先行きも輸出が好調に推移すると共に、消費・投資が堅調さを保つことで6%台の高い成長率を維持するものと見ている。世界景気の緩やかな回復は、輸出を拡大させる上、海外出稼ぎ労働者からの送金を促す。特に送金額の4割を占める米国の景気回復の影響は大きく、消費も堅調さを保つだろう。また、投資は年後半から政府主導の建設事業やインフラ整備など復旧・復興の本格化によって再び加速すると見ている。
先行きの懸念材料としては、金融引き締め策による企業の投資意欲の減退が挙げられる。中央銀行は今年3月以降、預金準備率、特別預金口座(SDA)金利、政策金利をそれぞれ引き上げているものの、7月の消費者物価指数は前年同月比+4.9%と、今年のインフレ目標(3~5%)の上限を超えようとしているほか、来年のインフレ目標(2~4%)の達成もリスクに晒されている。先行きのインフレ率は、台風被害による食品価格の高騰を受けて政府が実施する米の追加輸入策によって一部緩和されるだろうが、景気拡大による上昇圧力は根強いと見られる。9月11日に開催される金融政策決定会合では、政策金利もしくはSDA金利の引き上げが判断される可能性が高い。
(2014年08月29日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1780
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/13 | インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | インド株式市場における国内投資家の存在感と資金構造の変化 | 斉藤 誠 | 基礎研レポート |
2025/06/09 | インド経済の見通し~金融・財政政策の下支えにより+6%台半ばの堅調な成長が続く | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/05/19 | マレーシア経済:25年1-3月期の成長率は前年同期比+4.4%~鉱業輸出が減少、3四半期連続の景気減速に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年06月20日
消費者物価(全国25年5月)-コアCPIは食料中心に上昇率拡大も、夏場には3%割れへ -
2025年06月19日
緊迫化する中東情勢、ドル円への影響は?~マーケット・カルテ7月号 -
2025年06月19日
米FOMC(25年6月)-市場予想通り、政策金利を4会合連続で据え置き。25年の政策金利見通しを維持 -
2025年06月19日
ロシアGDP(2025年1-3月期)-前期比成長率でマイナスに転じる -
2025年06月19日
マスク着用のメンタルヘルスへの影響(2)-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【【フィリピンGDP】4-6月期は前年同期比+6.4%~拡大する海外需要と復興需要で高成長は持続~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【フィリピンGDP】4-6月期は前年同期比+6.4%~拡大する海外需要と復興需要で高成長は持続~のレポート Topへ