- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 7月マネー統計~マネーは伸び悩みだがリスク性資産投資は堅調
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・貸出動向: 増勢に一服感
・主要銀行貸出動向アンケート調査個人の資金需要が急落
・マネタリーベース: 前月末比減少だが問題なし
・マネーストック: 全体は伸び悩みだがリスク性資産投資は堅調
■要旨
7月の銀行貸出(平残)の伸び率は前年比2.3%と3ヵ月ぶりに伸び率が縮小した。前年の大口貸出の反動や円安効果剥落に伴う外貨建て融資の目減りが影響した模様。貸出の増勢自体は続いている。ただし、貸出残高の前月差を見ると今年に入ってからは一進一退となっており、増勢に一服感が出ている。
主要銀行貸出動向アンケート調査によれば、2014年4-6月期の企業の資金需要増減を示す企業向け資金需要判断D.I.は、前回から横ばいの5となった。一方、個人向けD.I.は-10と、前回比で30ポイントもの大幅下落を示した。この低下幅は2000年の調査開始以来最大であり、D.I.の水準もマイナス圏(「減少」が優勢)になっている。消費税率引き上げ後の反動減により、とりわけ住宅ローンへの影響が大きく出た。
7月のマネタリーベース平残は243.1兆円と17ヵ月連続で過去最高を更新。一方、月末のマネタリーベース残高は6月末から0.2兆円減少したが、国債の発行超過が多額にのぼり、資金が吸収されたという特殊要因の影響が大きい。また、上記のとおり、平均残高ベースでは引き続き過去最高を更新しており、その増加額も6月比で9.9兆円に達している。
マネーストック統計によると、市中通貨量を示す7月のM2、M3の前年比伸び率は縮小。縮小は6ヵ月連続となる。一方、M3に投信や外債といったリスク性資産等を含めた広義流動性の伸び率は8ヵ月ぶりに拡大に転じた。投資信託の残高は統計開始以来の過去最高を3ヵ月連続で更新しており、一部でリスク性資産への資金配分を積極化する動きが出ているとみられる。
(2014年08月11日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/07 | 長期金利の上昇は続くのか?~16年ぶり1.5%到達後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/02/18 | 関税と日銀利上げの思惑で揺れる円相場、次の展開は?~マーケット・カルテ3月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/02/12 | 貸出・マネタリー統計(25年1月)~定期預金の伸び率が14年半ぶりの高水準に、地銀の貸出が勢いを増す | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/02/07 | 金価格は史上最高値を更新、まだ上昇余地はあるか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年03月14日
噴火による降灰への対策-雪とはまた違う対応 -
2025年03月14日
ロシアの物価状況(25年2月)-前年比で上昇が続き10%超に -
2025年03月14日
株式インデックス投資において割高・割安は気にするべきか-長期投資における判断基準について考える -
2025年03月13日
インド消費者物価(25年2月)~2月のCPI上昇率は半年ぶりの4%割れ -
2025年03月13日
行き先を探す“核の荷物”~高レベル放射性廃棄物の最終処分とエネルギー政策~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【7月マネー統計~マネーは伸び悩みだがリスク性資産投資は堅調】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
7月マネー統計~マネーは伸び悩みだがリスク性資産投資は堅調のレポート Topへ