- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【アジア新興経済レビュー】インド再加速への期待が高まる
2014年06月02日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- (実体経済)
5月は、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、インドで1-3月期のGDPが発表された。マレーシアは成長率が加速したものの、その他の国では冴えない結果となった。特に政局の混乱が続くタイでは、内需の冷え込みでマイナス成長となった。また、フィリピンは、大型台風の影響による農業生産の減速や食品加工などのサプライチェーンの乱れなどによって成長率が鈍化した。 - (インフレ率)
4月のインフレ率は、食品価格の上昇が続いており、比較的低位に推移していた韓国、台湾、タイを含む多くの国で緩やかな伸びが見られた。また、8%の高い政策金利を維持するインドでも、食品価格の上昇を受けて直近3ヵ月はインフレ率が下げ止まっている。 - (金融政策)
5月は、インドネシア、フィリピン、韓国、マレーシアで金融政策決定会合が開かれたが、政策金利は4カ国とも据え置きとなった。インドネシアでは、インフレ率の低下基調、経常赤字の縮小傾向が評価された。 - (5月の注目ニュース)
16日、インドで総選挙(下院)の結果が発表され、ナレンドラ・モディ氏率いる最大野党•人民党が282議席と単独過半数を確保した。安定政権の誕生は、経済政策の運営にポジティブに働く一方、イスラム教との宗教問題や核政策の見直しなど外交面の懸念も高まると見られている。さらに22日には、タイで国軍による軍事クーデターが起きた。国際的には民主化の後退であると批判を受けているものの、加熱し過ぎた政治対立を一旦沈静化させたことはタイ経済にはプラスと見ている。 - (6月の主要指標)
6 月は、インド(3日)、韓国(12日)、インドネシア(12日)、タイ(18日)、フィリピン(19日)、台湾(25日)で金融政策決定会合が開催される。特にタイは、国内の景気悪化を頼みの輸出でカバーできていないことから、3月以来の追加利下げとなる可能性はあると見ている。
(2014年06月02日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/15 | マレーシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+4.4%~堅調な内需に支えられて横ばいの成長に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/13 | インド消費者物価(25年8月)~7月のCPI上昇率は+1.6%、食品価格の下落が続き8年ぶりの低水準に低下 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/07 | フィリピン経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比5.5%増~インフレの緩和と利下げにより消費が好調 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/05 | インドネシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+5.12%~輸出と投資の拡大で2年ぶりの高水準 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月15日
マレーシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+4.4%~堅調な内需に支えられて横ばいの成長に -
2025年08月15日
グローバル株式市場動向(2025年7月)-米国と日欧の関税大枠合意により安心感が広がる -
2025年08月15日
生成AIを金融リスク分析の視点から読み解いてみる-なぜ人間によるファクトチェックが必要なのか -
2025年08月15日
QE速報:2025年4-6月期の実質GDPは前期比0.3%(年率1.0%)-トランプ関税下でも輸出が増加し、プラス成長を確保 -
2025年08月15日
地方で暮らすということ-都市と地方の消費構造の違い
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【【アジア新興経済レビュー】インド再加速への期待が高まる】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【アジア新興経済レビュー】インド再加速への期待が高まるのレポート Topへ