- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 緩和縮小見送り後の行方 ~マーケット・カルテ10月号
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
9月18日、世界中が注目した米FOMCにおいて、QE3縮小が見送りとなった。金融市場では「小幅縮小」が本命視されていただけに肩透かしを食った形となり、株高・円高・金利低下の反応を見せている。バーナンキ議長は年内縮小開始シナリオを撤回していないが、米金融政策の先行き不透明感は強まっている。
今後の円相場について、円安ドル高進行の条件は「日米金利差拡大+リスクオン(市場のリスク選好)」と考えている。前者はドルの投資妙味を高め、後者はリスク回避通貨である円の需要を低減させる。今後も米景気回復が続き、遠くない時期にQE3縮小が予想される以上、円安ドル高シナリオが崩れたわけではない。ただし、FRBが景気回復に確証を持つにはしばらく時間を要し、金利差が拡大し従来の水準に戻るにも時間がかかりそう。また、米金融政策の不透明感や10月に山場を迎える債務上限問題への警戒感がリスクオンの抑制要因となるだろう。今後3ヵ月間では、若干の円安ドル高に留まると予想する。
QE3縮小先送りを受けてユーロは反発しているが、未だ低迷感色濃いユーロが積極的に評価されているわけではない。いずれユーロドルは調整を迎え、3ヵ月後のユーロ円は横ばい程度に留まると見ている。
本邦長期金利も米金利低下を受けて低下しているが、今後も米金利の方向感自体は上向きであり、国内の景気回復期待も根強いため、3ヵ月後には現状比で若干上昇していると予想する。
(執筆時点:2013/9/19)
(2013年09月19日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/19 | 日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント低下の12と予想、トランプ関税の影響度に注目 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/07 | 長期金利の上昇は続くのか?~16年ぶり1.5%到達後の金利見通し | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/02/18 | 関税と日銀利上げの思惑で揺れる円相場、次の展開は?~マーケット・カルテ3月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/02/12 | 貸出・マネタリー統計(25年1月)~定期預金の伸び率が14年半ぶりの高水準に、地銀の貸出が勢いを増す | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月19日
日銀短観(3月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント低下の12と予想、トランプ関税の影響度に注目 -
2025年03月19日
孤独・孤立対策の推進で必要な手立ては?-自治体は既存の資源や仕組みの活用を、多様な場づくりに向けて民間の役割も重要に -
2025年03月19日
マンションと大規模修繕(6)-中古マンション購入時には修繕・管理情報の確認・理解が大切に -
2025年03月19日
貿易統計25年2月-関税引き上げ前の駆け込みもあり、貿易収支(季節調整値)が黒字に -
2025年03月19日
米住宅着工・許可件数(25年2月)-着工件数(前月比)は悪天候から回復し、前月から大幅増加、市場予想も上回る
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【緩和縮小見送り後の行方 ~マーケット・カルテ10月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
緩和縮小見送り後の行方 ~マーケット・カルテ10月号のレポート Topへ