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- 金融市場の動き(8月号)~豪ドルは、かつての輝きを取り戻すか?
2013年08月02日
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- (為替) 為替市場において、豪ドルの下落が鮮明になっている。2010年以降、世界最強通貨の一角であった豪ドルだが、現在は「新興国とりわけ中国経済の低迷」、「欧州危機沈静化」、「米QE3縮小観測の高まり」という3つの逆風が吹いている。豪ドルの対ドル相場の今後の方向性は時間軸の長さで変わってくると見る。当面は下値を模索する動きが続きそうだ。直近のRBA議事録でも追加利下げに対して含みを残している。しかしながら、来年以降は世界経済の回復期待が高まることが、豪ドルの追い風となる可能性が高い。豪ドルの対円レートについては、円もドルに対して弱含むと考えられるため、対ドルレートよりも堅調な推移が期待される。ただし、上記シナリオはあくまで世界経済の回復という前提に立っている点には注意が必要だ。中国のシャドーバンキング問題やQE3縮小の影響など、世界経済にはまだまだハードルが多い。世界経済失速というリスクシナリオへ移行する場合には、豪ドルに対して強い逆風が吹く可能性が高い。
- (日米欧金融政策) 7月は日米欧中銀ともに金融政策を現状維持としたが、ECBが日米に続いてフォワードガイダンスを導入。FRBのバーナンキ議長の議会証言や7月FOMCの声明文などから、米緩和縮小観測はやや後退している模様。
- (金融市場の動き) 7月の金融市場は、円とユーロがドルに対して上昇、長期金利は低下した。当面の先行きは、緩やかな円安ドル高を予想するがドルの上値はそう軽くはなさそうだ。ユーロドルは弱含み、長期金利は横ばい圏内の推移を予想。
(2013年08月02日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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