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- 「世界の工場」のアジアで、予想外に輸出が低迷している。なぜか?
2013年05月31日
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- 2012年のアジア新興国・地域を振り返って見ると、日米欧の先進各国の成長率が低迷したことを背景に、アジア新興国・地域では輸出の落ち込みが目立った。2013年は先進国の回復が見込まれているが、予想外にアジア新興国・地域では輸出の回復が見られない。
- このアジア新興国・地域の輸出低迷の理由としては、欧州の長引く低迷と、米国の輸入を伴わない回復、(中国を中心にした)一次産品需要の低下などでもたらされていると考えられる。また、現在は顕在化していないものの、今後は円安の影響によって、さらに輸出が鈍化するリスクも孕んでいる。
- したがって、アジア新興国・地域自身でこうした状況を打破することは難しく、輸出の回復はこれらの要因の解消を待つ必要があるとも言える。また、今年はこれらの要因の解消は難しいと考えられるため、結果として、アジア新興国・地域の輸出回復は緩慢になるだろう。
- ただし、構造変化によって輸出が低迷している可能性も捨てきれない。例えば、比較的所得の低い国で現地調達し、生産するという動きが広がれば、輸出による波及効果を抑制する方向に働く。韓国や台湾では電気電子関連の製品を大量生産し、低コストで販売するという、今まで成長を牽引してきた事業モデルが限界に差し掛かっているという可能性も指摘できる。
- こうした構造問題への対応は、アジア新興国・地域自身で取り組まなければいけない問題である。
(2013年05月31日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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