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- インド7-9月期GDP:前年同期比+5.3%~高インフレ問題が依然として残り、低成長が続く
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■見出し
・成長率は再び鈍化
・当面の注目は資本流入とインフレの動向
■introduction
インド中央統計機構(CSO)は11月30日に2012年7-9月期の国内総生産(GDP)を公表した。実質GDP成長率(供給側)は前年同期比5.3%の増加となり、4-6月期の同+5.5%から減速した。
7-9月期の成長率を供給側から見ると、低成長の主因は第一次産業と第二次産業であることが分かる。第一次産業はモンスーン期の雨不足により、前年同期比+1.2%と4-6月期の同+2.9%から低下し、第二次産業では、シェアの高い製造業が前年同期比+0.8%と低成長にとどまった。製造業の伸び率は4-6月期(同+0.2%)より改善はしたが、伸び率自体の水準は依然として低いと言える。また、伸び率の低下幅では第二次産業のうち電気・ガス・水道業と建設業が大きかった。電気・ガス・水道業の伸び率は前年同期比+3.4%(4-6月期は同+6.3%)、建設業では同+6.7%(4-6月期は同+10.9%)となった。一方、第三次産業の伸び率は4-6月期からほぼ横ばいにとどまった。小売・ホテル・運輸・通信が前年同期比+5.5%と4-6月期(同+4.0%)から改善したものの、金融・保険・不動産・事業サービスが前年同期比+9.4%と4-6月期(同+10.8%)から減速、公共サービスも前年同期比+7.5%と4-6月期(同+7.9%)からやや減速するという結果となった。
実質GDP成長率を支出側から見ると、投資が伸びたものの、個人消費が冴えず、内需全体の伸び率が抑制されたことが分かる(図表2)。7-9月期の投資は、前年同期比+4.1%(4-6月期は同+0.7%)、個人消費は同+3.7%(4-6月期は同+4.0%)であった。純輸出に関しては、輸出が前年同期比+4.3%と4-6月期(同+10.1%)から減速、輸入も同+6.6%と4-6月期(同+7.9%)から減速した。純輸出の寄与は▲1.3%ポイントと4-6月期の▲0.2%からマイナス幅が拡大した。
(2012年12月03日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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