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- 雇用関連統計12年5月~求人・求職間のミスマッチから雇用の減少が続く
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■見出し
・失業率は前月から0.2ポイント低下の4.4%
・地域間のミスマッチが深刻に
■introduction
総務省が6月29日に公表した労働力調査によると、12年5月の完全失業率は前月から0.2ポイント低下し4.4%となった(QUICK集計・事前予想:4.5%、当社予想も4.5%)。
就業者数は前月と比べ10万人減と3ヵ月連続で減少したが、労働力人口が前月よりも20万人減少したため、失業者数は前月から10万人の減少となった(4月:299万人→5月:289万人)。失業率は低下したものの、非労働力化の進展がその要因となっており、内容的には良い失業率の低下とは言えない。1月からの5ヵ月で就業者数が49万人、雇用者数が53万人減少しており(季節調整値ベース)、依然として求人の増加が雇用に結びつかない状況が続いている。
厚生労働省が6月29日に公表した一般職業紹介状況によると、12年5月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇し0.81倍となった(QUICK集計・事前予想:0.80倍、当社予想は0.82倍)。有効求人数が前月比2.4%と14ヵ月連続で増加する一方、有効求職者数が前月比▲0.2%と2ヵ月連続で減少した。
有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.07ポイント上昇の1.35倍となった。新規求職申込件数が前月比▲2.1%の減少となる一方、新規求人数は前月比3.0%の高い伸びとなった。
新規求人数を地域別に見ると、東北地方は全国を上回る高い伸びを続けているが、新規求職申込件数は全国よりも大きく減少している。東北地方の直近の新規求人数(季節調整値)は震災前(11年2月)よりも4割以上多くなっているが、新規求職申込件数は2割近く少ない。こうした地域間のミスマッチにより、求人の増加が就職件数の増加につながらない状況が続いている。5月の就職件数(全国ベース)は4月の前月比▲3.0%に続き同▲2.6%の減少となった。
(2012年06月29日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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