- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は1改善の▲3を予想
2012年06月22日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 6月短観では、大企業製造業の業況判断D.I.がほぼ横ばいに留まり、景況感の低迷が示されると予想する。4月以降、内需は復興需要の顕在化やエコカー補助金という政策効果が寄与する形で堅調を維持する一方、海外では欧州危機が再燃、欧州のほか米国や中国経済も減速傾向を強め、為替も再び円高へと回帰した。従って、海外の影響を受けやすい製造業の景況感は前回同様に抑制的なものとなるだろう。大企業非製造業は製造業ほど海外の影響を受けにくいため、堅調な内需を背景として引き続き改善を示すと見る。中小企業も、非製造業の方が優勢という構図は大企業と共通だが、交渉力や対応力が相対的に乏しいため、製造業・非製造業ともに大企業よりも弱めの結果となる。先行きについても業種や規模でバラつきが出るが、全体的に慎重な見方になると予想する。
- 12年度設備投資計画については、今回上昇修正され、対前年プラス化すると予想。例年6月調査では上方修正されるという統計上のクセが主因である。実態的には、復旧・復興の動きが設備投資の押し上げ要因となる一方で、金融市場の緊迫化や世界経済の先行き不透明感が抑制要因となり、設備投資の本格回復と評価できるまでには至らない。
- 今回の注目点は2012年度収益計画だ。前回調査では、全体で増収・経常増益見通しとなっており、とりわけ製造業の増収増益幅が大きかった。ユーロの下落や海外経済減速の影響がどれだけ織り込まれるか、その上で企業はまだ今年度収益の回復シナリオを維持しているかどうかがポイントとなる。
(2012年06月22日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
| 日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
|---|---|---|---|
| 2025/10/22 | 高市新政権が発足、円相場の行方を考える~マーケット・カルテ11月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
| 2025/10/14 | 貸出・マネタリー統計(25年9月)~銀行貸出の伸びが4年半ぶりの4%台に、定期預金等はバブル期以来の高い伸びを記録 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
| 2025/10/06 | 円安が続く背景を改めて点検する~円相場の行方は? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
| 2025/10/01 | 日銀短観(9月調査)~トランプ関税の影響は依然限定的、利上げ路線をサポートするも、決め手にはならず | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年10月24日
米連邦政府閉鎖と代替指標の動向-代替指標は労働市場減速とインフレ継続を示唆、FRBは政府統計を欠く中で難しい判断を迫られる -
2025年10月24日
企業年金の改定についての技術的なアドバイス(欧州)-EIOPAから欧州委員会への回答 -
2025年10月24日
消費者物価(全国25年9月)-コアCPI上昇率は拡大したが、先行きは鈍化へ -
2025年10月24日
保険業界が注目する“やせ薬”?-GLP-1は死亡率改善効果をもたらすのか -
2025年10月23日
御社のブランドは澄んでますか?-ブランド透明性が生みだす信頼とサステナビリティ開示のあり方(1)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は1改善の▲3を予想】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は1改善の▲3を予想のレポート Topへ











