- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 中国経済 >
- 2020年の中国消費市場:高成長が終焉を迎え安定成長へ移行も、消費市場の存在感はむしろ高まり、マイカーは2世帯に1台の時代へ
2020年の中国消費市場:高成長が終焉を迎え安定成長へ移行も、消費市場の存在感はむしろ高まり、マイカーは2世帯に1台の時代へ
三尾 幸吉郎
このレポートの関連カテゴリ
- 拡大する中国の消費市場を狙って、世界の企業はこぞって中国に進出、企業間競争は激化の一途を辿っている。これまで中国を製造拠点とみてきた日本の製造業も現地販売に力点を移しており、近年では製造業よりも卸売・小売業の進出が盛んになってきた。
- この背景には、ここ数年で中国の消費市場が急拡大したことがある。2011年の小売売上高は18.4兆元(約235兆円)と10年前の4.3倍、カラーテレビは百世帯あたり137.4台とほぼ全世帯に普及した。消費支出に占める食費の割合は低下傾向を辿り、パソコン、携帯電話、エアコン、乗用車など耐久消費財の普及が進むなど、生活をより豊かにする方向に消費支出がシフトしている。
- 今後は中国でも少子高齢化が進み、生産年齢人口(15歳~64歳)は減少に転じて「成長の壁」が成長率を鈍化させることになりそうだ。しかし、消費を取り巻く環境は良好で、「消費主導への転換」や「所得格差の縮小」など中国政府の政策が支援となり、「高い潜在力」を顕在化させるため、2020年の消費市場は700兆円程度に成長と予想する。
- リスクとしては、過度な賃金上昇により、製造業の国外流出や賃金インフレを招くことが挙げられるが、中国の財政健全性を勘案すると、経済運営の失敗は事後の適切な対応で挽回可能だろう。但し、政治リスクが深刻化した場合には打撃が大きい。政治リスクは予測が難しいため、リスク度を的確に把握できるモニタリング体制を持ち、リスク度に応じた対策を用意することで、被害を最小限に抑える「政治リスク管理」が重要だろう。
(2012年04月27日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
三尾 幸吉郎
研究・専門分野
三尾 幸吉郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/12/16 | 図表でみる世界のGDP-日本が置かれている現状と世界のトレンド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/07/30 | 図表でみる世界の人口ピラミッド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/04/05 | 不動産バブルの日中比較と中国経済の展望 | 三尾 幸吉郎 | 基礎研マンスリー |
2024/03/11 | Comparison of Real Estate Bubbles in China and Japan, and Prospects for the Chinese Economy | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レポート |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2025年01月17日
トランプ2.0とEU-促されるのはEUの分裂か結束か?- -
2025年01月17日
分権から四半世紀、自治体は医療・介護の改正に対応できるか-財政難、人材不足で漂う疲弊感、人口減に伴う機能低下にも懸念 -
2025年01月17日
可処分所得を下押しする家計負担の増加~インフレ下で求められるブラケットクリープへの対応~ -
2025年01月16日
iDeCo(個人型確定拠出年金)を有効活用する方法と注意点-拠出限度額引き上げで税制優遇の恩恵も大きく -
2025年01月16日
ロシアの物価状況(24年12月)-前年比伸び率は9%台半ばまで上昇
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【2020年の中国消費市場:高成長が終焉を迎え安定成長へ移行も、消費市場の存在感はむしろ高まり、マイカーは2世帯に1台の時代へ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
2020年の中国消費市場:高成長が終焉を迎え安定成長へ移行も、消費市場の存在感はむしろ高まり、マイカーは2世帯に1台の時代へのレポート Topへ