2012年04月20日

米景気回復は本物か~成長ペースダウンなら6月に追加緩和策も

土肥原 晋

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<米国経済の概況:1-3月期GDP速報値は年率2%台前半に低下へ>

  • 1-3月期GDP速報値の市場予想は、前期の年率3%から2%台前半への低下が見込まれている。自動車の好調は維持されるものの、前期GDPを押し上げた在庫の寄与の大幅縮小が影響しよう。もっとも、在庫以外の需要項目にはそれほど大きな変化はなく、米経済の回復基調は維持されそうだ。当面、原油価格上昇による影響が懸念されよう。

<金融政策の動向:成長ペースダウンなら追加緩和策実施も>

  • FRBでは原油価格の上昇によるインフレは一時的と見ており、そうであれば金融緩和策の維持に影響は少ない。米景気の足かせとされる雇用と住宅については、3月雇用者増が半減するなど回復の勢いが削がれ、住宅では住宅価格が底割れするなど回復の目途が立たない。今後も金融緩和に下支えされながらの回復を続けることが見込まれよう。
  • 一方、内外には景気への懸念材料が山積している。過去に再三見られたように、景気にダウンサイドリスクが迫る場面は今後も十分あり得よう。ツイストオペレーションが6月に終了するため、今後のFOMCでは、その後の追加緩和策についての議論が焦点となりそうだ。



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(2012年04月20日「Weekly エコノミスト・レター」)

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