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南欧の苦境を象徴するスペイン~混乱回避も南の負担緩和のための即効性があり強力で明快な対策は期待できず~
経済研究部 研究理事 伊藤 さゆり
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- ユーロ危機の第三幕の最初の主役となったスペインでは、ラホイ政権が財政赤字削減策のほか、金融システム健全化、労働市場の二重構造解消に手を打っているが、市場は成長と雇用への負の影響への懸念を強めている。
- スペインは南の苦境の象徴であり、イタリアに再び市場の矛先が向かう可能性も決して低くない。ギリシャの総選挙、フランスの大統領選挙、アイルランドの国民投票、ポルトガルの追加支援問題の決着が期待を裏切り、市場の緊張が一段と高まる可能性もある。
- しかし、ギリシャのPSIに備えて防火壁強化が進展、ECBの3年物資金供給が金融機関の資金繰りをサポートしていることから、大規模な混乱は回避できるだろう。
- 危機の第三幕は域内の経常収支不均衡と競争力格差調整の負担を専ら南が負う構図を改めなければ終わらない。北の経常黒字国の拡張的財政政策の転換は考え難いが、財政健全化による景気下押し効果は縮小、超金融緩和政策の継続も格差調整に効果を果たそう。
- この先もユーロ危機への即効性があり強力で明快な対策は期待できないが、ユーロやEUが崩壊に向かっていると考えるのは早計だ。問題は時間をかけて解決されるだろう。
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