2011年11月14日

中国の10月工業生産:懸念材料多いも、土俵際で踏み止まる

三尾 幸吉郎

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■見出し

・工業生産は緩やかに鈍化
・懸念材料が多いも土俵際で踏み止まる

■introduction

中国国家統計局が発表した10月の工業生産(付加価値ベース、本業の年間売上高が2000万元以上の工業企業)は前年同月比13.2%増と、9月の同13.8%増を0.6ポイント下回った。企業分類別にみると、国有及び国有持株企業が同8.9%増で前月と比べて1.0ポイント低下、株式制企業が同15.1%増で前月と比べて0.9ポイント低下、外資系企業が同9.6%増で前月と比べて0.5ポイント低下と、いずれも緩やかな鈍化傾向を示しているが、リーマンショック前夜のような失速には至っていない(図表-1)。
業種別にみると(図表-2)、電気機械等製造が9月の前年同月比13.3%増から10月には同10.8%増と2.5ポイント低下して今年最低となったほか、高位の伸びを示していた衣類・靴・帽子製造も9月の伸び率を1.7ポイント下回った。他方、冴えない伸びが続いていた家具製造が10月には前年同月比15.5%増と9月の伸び率を2ポイント上回るなど回復する業種もあり、中国の工業生産全体は緩やかな鈍化に留まっている。

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