2011年08月24日

投資家心理は震災前に戻ったか

研究員 南 正太郎

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海外で「恐怖の指数」として知られている指標に、VIX(ボラティリティ・インデックス)という指標がある。S&P500株価指数のオプションから計算されるこの指標は、数値が高いほど投資家が相場に対して不安に思っていることを表していると言われている。実は、日本版の恐怖の指数があることをご存知だろうか。2010年11月に日本経済新聞社から公表されている日経平均ボラティリティ・インデックス(日経平均)である。これは日経平均株価指数のオプション価格から計算され、今後30日の株価変動率を予測した指標であるが、日経平均の短期的な相場動向を把握する目的で参照されたりする。

下図(本文中)は、日経平均株価指数と日経平均の推移を示したものである。実際に、2008年のリーマン・ショックの株価下落時に日経平均が急上昇し90%近くになっている。また、東日本大震災が起こった直後にも高水準であった。震災のような予測不能な事象とは異なり、リーマン・ショックが起こる一年以上も前から日経平均の高水準が続いていたことを見ると、投資家は市場に対して不安に感じていたことは間違いない。

7月22日時点で日経平均の値は20.71%であり、数値だけを見れば、東日本大震災前の水準に戻りつつある。しかし、実際のところ、原子力発電所の問題や政治が不安定なことなど株式市場を取り巻く環境はあまりよいとは言えない。皆さんは今後の市場動向についてどのように感じているだろうか。
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南 正太郎 (みなみ しょうたろう)

研究・専門分野
債券(国内株式)、金融工学

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