- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 年金資産運用 >
- 物価上昇と年金のあり方
日本では必ずしも十分に意識されていないが、原油や農産物等の価格高騰で世界的に物価の上昇が懸念されはじめている。もちろん日本も無関係ではない。中でも、原油やLNG価格の上昇は、火力発電で電力不足を補う日本にも責任の一端が存している。
既に欧米の資産運用者の間ではインフレ対応投資への注目が高まっており、特に債券を中心とする年金運用者にとっては物価上昇に対する備えが重要になっている。古典的な資産配分では、株式投資によるインフレ対応を期待していたが、それは高い経済成長の下で株価全体が上昇するという特性であったに過ぎない。
低成長下でのインフレ対応には、物価連動債(物価連動国債の商品改定は必須)へ投資するか、株式の成長銘柄へ集中投資を行うか、エマージング投資を含む海外投資を積極化するか、オルタナティブ投資によるかなどの選択肢が考えられる。既に欧米の運用者は真剣に検討を開始しており、このままでは日本の投資家が周回遅れになる危険性を孕んでいるのではないか。もし運用者がインフレに対応しない場合、年金受給者から見ると受給時の貨幣価値が小さくなるため、年金制度の存在そのものが疑問視されることになることも忘れずに意識しておくべきだろう。
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月14日
インド消費者物価(24年4月)~4月のCPI上昇率は僅かに低下、11カ月ぶりの水準に -
2024年05月14日
ダチョウとミーアキャットの間-好ましくない情報にはどう対処する? -
2024年05月14日
企業物価指数2024年4月~前年比上昇率は前月と変わらず。先行きは政策の影響を受けて上昇率が高まる見通し~ -
2024年05月14日
新築マンション市場の動向(首都圏2024年3月)~高値続きで郊外の供給増、マンションの競争力に注意 -
2024年05月14日
厚生年金適用拡大の新たな論点:年金と健保の連動とマルチワーカー~年金改革ウォッチ 2024年5月号
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【物価上昇と年金のあり方】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
物価上昇と年金のあり方のレポート Topへ