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- 米4月ISM指数:非製造業指数が急落
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■見出し
・非製造業・製造業指数ともに連月の下落も、非製造業の下落幅が顕著
・非製造業各指数では、新規受注が大幅下落:非製造業各指数別の動向
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数では、5/4発表の4月非製造業指数(NMI)が52.8と前月比▲4.5ポイント下落、前月(57.3)、市場予想(57.5)をともに下回った。前月比での下落は2ヵ月連続となる。4月水準は昨年8月以来8ヵ月ぶりの低水準となるが、非製造業の業況の分かれ目となる50は17ヵ月連続で上回った。回答者のコメントは燃料費や商品価格の上昇、景気の先行き不透明感等を懸念する見方を示唆していた。
NMIは2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始、金融危機直後の2008年11月に37.6へと急低下後、回復の動きを見せ、本年2月には59.7と発表開始後の最高値(試算推計値では2005年8月(61.3)以来の高水準)となっていた。
一方、5/2発表の4月製造業指数(PMI)は60.4と前月比▲0.8ポイント低下、2ヵ月連続での下落となった。ただし、市場予想(59.5)は上回り、4ヵ月連続で60台の高水準を維持、2月(61.4)が2004年5月以来の高水準を記録したことを考慮すると、依然、堅調な水準を保っているといえよう。PMIは、金融危機後の2008年12月に33.3とリセッション後のボトムを記録した後、2009年8月には製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50を回復、今回で50越えは21ヵ月連続となる。また、4月のPMIを除く10指数の動きを見ると、5指数が上昇、5指数が下落となったが、PMIを構成する5指数(新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫)では、在庫を除く4指数が下落した。なお、最高値は価格指数の85.5、最低値は顧客在庫の40.5だった。
発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は42.5であり、4月の水準(60.4)は実質GDPの年率6.3%に対応する水準としている。
製造業(PMI)と非製造業(NMI)の水準を比較すると、2009年7月以降はPMIがNMIを上回って推移しており、製造業のセンチメントが先行して回復していたことが窺われる。非製造業指数には住宅バブル崩壊や金融危機等の影響が大きい金融、不動産・建設、個人消費関連産業等が含まれる。一時は製造業に追いつくかに見えたが今回のNMIの下落で乖離を大きく広げた。
(2011年05月06日「経済・金融フラッシュ」)
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