- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- ギリシャ・ショックから1年~「稼いだ時間」で何が変わったか?
2011年04月22日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- ギリシャ・ショックからおよそ1年が経過したが、足もとでもギリシャ、ポルトガルの信用リスク指標は高値を更新しており、ユーロ圏周辺国の財政危機に終息の気配はない。
- 6月に国債償還を控えるポルトガル支援の5月半ばの合意実現には、同国の超党派の合意実現の成否とフィンランドの総選挙の反EU政党の躍進が不安材料となっている。
- ギリシャでは過去1年で財政・構造改革が進展、ユーロ圏中核国の銀行のショック吸収力も改善しつつあるが、ギリシャの政府債務残高は当初の想定よりも膨らんでいる。2013年半ばに始動するESMでの民間負担の原則導入も重石となり、EU・IMFプログラムが当初予定していた2012年の中長期国債市場への復帰の見通しは立っていない。
- 3月にユーロ圏首脳会議が合意した支援金利引下げや返済期限延長は抜本的な問題解決には力不足と見られている。改革疲れとともに支援疲れも懸念されるが、現段階でギリシャの債務再編に踏み切るリスクもなお大きく、ギリシャ政府もEUも追加支援で時間を稼ぐ戦略を維持せざるを得ないように思われる。

(2011年04月22日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1832
経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/18 | トランプ関税へのアプローチ-日EUの相違点・共通点 | 伊藤 さゆり | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/28 | トランプ2.0でEUは変わるか? | 伊藤 さゆり | 研究員の眼 |
2025/03/17 | 欧州経済見通し-緩慢な回復、取り巻く不確実性は大きい | 伊藤 さゆり | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/07 | 始動したトランプ2.0とEU-浮き彫りになった価値共同体の亀裂 | 伊藤 さゆり | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【ギリシャ・ショックから1年~「稼いだ時間」で何が変わったか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ギリシャ・ショックから1年~「稼いだ時間」で何が変わったか?のレポート Topへ