- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- ドルの信認低下と通過のパワーバランス ~どの通貨がドル安を引き受けるのか?
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要 旨
1.基軸通貨ドルの中長期的な下落トレンドが続いている。最近ではギリシャの財政問題に端を発するユーロの信認や米国の景気回復期待剥落などが市場のテーマになっているが、ドルの構造的な信認(信用力)問題が解決した訳ではなく、未だ燻り続けている。
2.ドルの信認問題の背景には米国ならびにドルが抱える2つの要因、すなわち解消の道筋が見えない「双子の赤字」と今後とも続くとみられる「超大国米国の地位低下」があり、新興国では既に一部ドル離れの動きが見られる。
3.今後ドルの信認が低下し、為替レートが下落した場合に、上昇する通貨は何なのだろうか。高い成長が予想される新興国には、海外から投資資金が集まりやすいという点での通貨高圧力が存在する。さらに、アジア新興国の多くは、通貨高要因となる多額の経常黒字を抱えている。それにもかかわらず従来通貨が下落、またはその上昇が限定的に留まってきた背景には巨額の為替介入の存在がある。
4.通貨管理による新興国通貨安に対して先進国からの不満が高まっていることもあり、これら新興国通貨は中長期的に上昇していく可能性が高いが、新興国側の強い抵抗も予想される。ユーロが問題を抱える中で、今後新興国通貨が上昇しない、若しくは上昇が限定的に留まる局面では、日本円への上昇圧力が高まる可能性がある。
(2010年09月24日「ニッセイ景況アンケート」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/18 | トランプ関税発の円高は止まるか?~マーケット・カルテ5月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
2025/04/11 | 貸出・マネタリー統計(25年3月)~貸出金利は上昇中だが、貸出残高は増勢を維持、現金・普通預金離れが進む | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/07 | トランプ関税と円相場の複雑な関係~今後の展開をどう見るか? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/01 | 日銀短観(3月調査)~日銀の言う「オントラック」を裏付ける内容だが、トランプ関税の悪影響も混在 | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
新着記事
-
2025年04月25日
世界人口の動向と生命保険マーケット-生保マーケットにおける「中国の米国超え」は実現するのか- -
2025年04月25日
年金や貯蓄性保険の可能性を引き出す方策の推進(欧州)-貯蓄投資同盟の構想とEIOPA会長の講演録などから -
2025年04月25日
「ほめ曜日」×ご褒美消費-消費の交差点(9) -
2025年04月25日
欧州大手保険グループの2024年の生命保険新契約業績-商品タイプ別・地域別の販売動向・収益性の状況- -
2025年04月25日
若手人材の心を動かす、企業の「社会貢献活動」とは(2)-「行動科学」で考える、パーパスと従業員の自発行動のつなぎ方
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【ドルの信認低下と通過のパワーバランス ~どの通貨がドル安を引き受けるのか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ドルの信認低下と通過のパワーバランス ~どの通貨がドル安を引き受けるのか?のレポート Topへ