2010年09月03日

金融市場の動き(9月)~日本株に重くのしかかる政治リスク、円高は長期化、雇用を国内に残せる成長戦略が必要

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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  1. (高まる政治リスク、円高は長期化、雇用を国内に残せる成長戦略が必要)政治空白、民主党代表選・その後の政界再編の可能性など政治リスクが高まっている。外部環境の悪さとともに政治リスクを市場は意識せざるをえない。米国経済の弱さ、ユーロの財政赤字からドル安・ユーロ安の流れ、すなわち円高は長期化を覚悟せざるを得ない状況。短期的な経済政策とともに円高でも雇用が逃げない競争力強化が急務。
  2. (日銀金融政策)8月30日に追加緩和策を打ち出した。9月決定会合は据え置きの公算大だが、9月中旬に米国FRBが動く状況になれば10月にも日銀は追加緩和を検討せざるを得ない。
  3. (長期金利)米国景気の低迷は短期的には払拭されず、長期金利には海外からの押し下げ圧力が続くだろう。債券相場の過熱感と国内政治情勢が市場の撹乱要因となる。
  4. (為替)円ドルレートは日米当局の金融緩和による低金利競争の結果という状況になっている。この点では、既に金利の低下余地が少ない日本(円)の分が悪いのは明らかだ。基軸通貨ドルに加えて、ユーロも低迷が続き、消去法での円への上昇圧力が続くだろう。
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総合政策研究部

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

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